彼女からキスを盗む方法 Ⅲ【Reo】 (ページ9)

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109.似寄ページ9

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《お土産買ってきたからきてね》

そんなメッセージが来てきて、

〈たまにはAがうちに来て〉

と送るとすかさず

《いいの！？》

というのとびっくりしている
うさぎのスタンプが送られてくる。
声が聞きたくなって電話をかけるとすぐに出てくれた。

『もしもし？』

「いいに決まってんじゃん」

『嬉しい〜』

「お土産持ってきて」

『うん！』

まだ1回しかうちに呼んでないし、
あれから来たいとも言わないのできっかけがなくて
いつもAの家に行ってたけど
これからはうちにも来てもらおうかな……

「出張どうだった？」

『久々の福岡楽しかったよ。仕事だったけど』

「飲み会楽しそうだったよね」

『あー……せっかく電話くれたのにごめんね。接待みたいなもんで、選手の皆さんにはかわいがってもらってるから。わたしがいると喜んでもらえるらしくて、よく上司に駆り出されるの』

「誰とでもすぐに仲良くなれそうだもんね、Aって」

『割とそうかも。広く浅くって感じだけど』

お父さんのおかげもあって顔広そうだし
上司が連れて行きたくなるのも分かる。

「うさぎ、好きなの？」

『好き！玲於くんに言ったことあったっけ？』

「鍵に付いてんのもうさぎだし、うさぎのスタンプばっかり送ってくんじゃん」

『そっか、それでか』

「それに、うさぎみてえだし」

『誰が？わたし？』

「他に誰がいんだよ」

『どのへんが？』

「え、顔？」

『えー？顔？』

「目おっきくて……白いし、丸っこいし」

『そう……？』

納得がいかないご様子。

「ほら、うさぎ好きすぎて似てきたんじゃない？」

『そっかあ…うさぎ好きだから……好きだからうれしいけど』

この子大丈夫？本気にしてないよね？

「は、大丈夫？そんなわけないじゃん」

『え……？』

「聞いたことある？好きな動物に顔似てくるとか」

『ない』

「どちらかというと自分に似てるから好きなんじゃない？うさぎ」

『あー』

ツッコミを期待してたのにな、なんて思いながら
素直すぎるAに少し不安を覚える。

「うさちゃんもう寝たほうがいいよ、頭働いてないじゃん」

『うん……？うさちゃん？』

「ほら、おやすみ」

『おやすみ！』

うさちゃん大丈夫かな……眠かっただけだよね？

*