彼女からキスを盗む方法 Ⅲ【Reo】 (ページ48)

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148.安定ページ48

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「でもやっぱり玲於くんとのキスじゃないとだめだな」

「……待って、誰とした？」

「あ……」

「なあ、もしかして」

「……だって寝てる時にされたら避けられないよ……わたしのことまだ好きって知らなかったし」

「アイツ看病しただけとか嘘じゃん。ホントもう……」

「……さ、カレー温めるから座ってて」

「あー逃げんな！」

「文句は遥くんに言って！(笑)」

カレーを食べて、お風呂を沸かして一緒に入る。
それだけで幸せを感じる。

「玲於くんの脚の間久しぶり〜」

「ほら、寂しかったんでしょ？」

「寂しかった！しばらくはお風呂で玲於くん思い出して泣いてたもん」

「じゃあまた俺と一緒に入れてよかったですねー」

「うん、嬉しい！」

子どものように喜ぶAを見て
少しばかり涙腺が緩みそうになった。

「ところでなんでわたしが嘘ついてるって分かったの？玲於くん、ちゃんと別れて嫌いになってくれたんだと思ったのに」

「あー……急に別れてくれとか普通おかしいと思うだろ。なんかあるんじゃないかって」

「そう？」

「……ナベがSOSくれたから分かったんだよ」

「遥くんが？」

「そ。Aを助けてほしいって。あとは龍友くんが色々動いてくれて、亜嵐くんも隼もみんな協力してくれた」

「じゃあみなさんにお礼しないといけないなあ」

俺ひとりだったらまんまと
脇山ちゃんの仕掛けた罠にハマって
ずっと誤解したままだったかもしれない。
Aにつらい思いさせたままだったかもしれない。

「でも遥くんに玲於くんと付き合ってる話してないのに……まさかお兄ちゃん？」

「誰かさんが寝言で俺を呼んでたって聞きましたけど？」

「え！嘘！それは無意識だし……気を付けよう……」

「気を付けるったって俺のこと大好きなんでしょ？無理だって」

「そうだよねえ寝言は諦めるか……」

俺のこと大好き、という部分を一切否定しないので
なんだかこちらがくすぐったい気持ちになるし
相変わらずなんかおかしくってつい笑ってしまう。

「ん？なんかおもしろかった？」

「や、Aらしいなって」

「うん？」

「ほら、ちゃんと前向けって。俺何するか分かんないから」

「ん……？」

「それとも、……されたいの？」

「え……あ、やだ、お風呂ではだめ！ばいばい！」

やっと理解したのか急いで先に上がってった。
お風呂ではダメでも、お風呂じゃなきゃいいんだよね？

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