彼女からキスを盗む方法 Ⅲ【Reo】 (ページ33)

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133.今更ページ33

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「あずきちゃん、誰がいるか言ってくださいよー……」

「Aが詳しく聞かなかったからさぁ」

「確かにそうですけど……」

「まあまあ、座り？僕の隣空いてるし」

「あ、はい……ありがとうございます。数原さん初めましてですよね」

「よく話は聞いてたからそんな感じせんけどね、なんか(笑)」

Aとは龍友くんを挟んで座った状態になり
向かい合って顔を見ずに済んだし、
龍友くんも気を遣ってくれたんだと思う。

「宮崎行ってたん？」

「そうなんです。さっき帰ってきて。来週また沖縄なんですけど」

「あーキャンプか」

「そうです」

「何飲む？」

「すいません、じゃあビールで」

龍友くんとAの会話を小耳に挟みながら
目の前の脇山ちゃんやスタッフさんと話した。

「じゃあAちゃん来たし改めて乾杯しよっか」

亜嵐くんの音頭でまた乾杯をした。
スタッフさんがAに興味を持ち、
脇山ちゃんに聞き始める。

「わたしと千夜のチアやってた時の後輩なんです」

「失礼ですがどこの事務所ですか？」

「あ……いえ、わたしはどこにも属してないです(笑)」

「お兄さんが智哉くんだもんね」

「えー！智哉の妹さん！？言われてみれば前話題になってましたよね？」

「お恥ずかしいです……(笑)」

「かわいいもんね、モデルとかやっててもおかしくないし」

「そんなことないです。恐縮です」

時間が経つにつれて席も移動したりして
スタッフさんもいるので自然と
やりたい企画とか仕事の話になって盛り上がってたら
いつの間にかAの姿がなかった。

「あれ……」

「……Aちゃんか？ちょっと前にトイレ行ったで」

「そ……」

「まだ好きなんやろ？」

小声で龍友くんに聞かれる。
やっぱり忘れられないのは確かだった。

「行ってきたら？話せるかもよ」

「いや、いいよ」

「さっき2人で話してたら玲於のこと気にしてたで？」

「え……？」

「龍友さーんこっちきてくださいよー」

「なにー？今行く」

「玲於さんも」

「ごめん、トイレ行くんで」

気にしてた？今更何を……

*