彼女からキスを盗む方法 Ⅲ【Reo】 (ページ45)

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145.決行ページ45

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当日、マネージャーの運転でAの元へ向かう。

「あー来た来た」

「A、行くよ」

「え？待って、なに？なんで？会社戻らなきゃ」

「もう話はつけてあるから気にしないで行っといで」

「いいから早くしてよ」

「ダメだよ、何があったの？」

「後で教えてもらいな」

「ナベ、ありがとな」

「おう」

「え？え？」ともちろんこの状況を把握できていない
Aの腕を引っ張ってマネージャーが待つ車に戻る。

「あんまり無茶しないでくださいね？(笑)」

「わかってるよ」

「玲於くん……？」

「大丈夫だから、俺から離れんなよ？いい？」

「え？……うん」

不安そうな顔をするくせに車内では
何も質問をしてこなかった。
マネージャーがいるから喋らなかったんだと思う。

「着きました」

「ついてきて」

お店に着いて連絡をもらっていた
隼と脇山ちゃんがいる部屋へ向かう。

「あーやっと来た。もー遅いって(笑)」

「悪い。隼ありがとう。行ってらっしゃい」

「じゃ、お疲れした！脇山ちゃん、ごめんね！」

「え、ちょっと……！」

脇山ちゃんは俺と、後ろから顔を出すAを見て
何を言われるか察したのだろう。
隼にも逃げられてるわけだし
いかにも嫌悪感が丸出しな表情をしている。

「脇山ちゃん、Aに言うことあるよね？」

「……何の話ですか」

「言う気ないなら千夜ちゃんもここに呼ぼっか？千夜ちゃんは全部話してくれたんだけど？」

「あずきちゃん……？」

脇山ちゃんはひとつ
大きなため息をついてから話し始めた。

「目障りなの。大して努力もしてないくせにちやほやされて……」

「何言ってんの？努力してないなんて誰が決めんだよ」

「いいよ玲於くん」

「よく知りもしないで」

「やめてよ！大丈夫だから。実際そう見られてたのは仕方ないし、わたしが悪いから」

「そういう“いいコ”を見せつけられるのも本当に嫌」

「謝って。……Aに謝れ。Aにだけじゃなくて周りの人にもひどいことして恥ずかしいと思わねぇの？」

「もういいよ、玲於くん……ありがとう。ずっとそうやって思われてたのは知らなかったから今びっくりしてるけど」

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