彼女からキスを盗む方法 Ⅲ【Reo】 (ページ43)

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143.証拠ページ43

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「えーちょっとショックなんだけど！マジで言ってる？」

「あら〜隼ガチでいいかもって思ってたタイプかー」

「隼、残念やったなぁ(笑)」

「でも俺にしかできないことならやってやろうじゃないですか！」

隼に脇山ちゃんのことを話すと
そんなことする子なの？！って驚いてる。

「隼、脇山ちゃんと連絡先交換した？」

「してない。亜嵐くんは知ってますよね？」

「あー俺知ってるよ」

「脇山ちゃんは慎重にいったほうがええかもな」

「千夜ちゃんのほうは？」

「こっちでなんとかするわ。ツテあるし、この間酔ったフリしてんのバレてるから気まずいはずやし」

「大丈夫？」

「まかしとき」

「玲於は最後おいしいとこ持ってけばいいんだって！」

「でもさぁ……」

「気持ちは分かるけど、玲於だって当事者やろ？変に動くとAちゃんが勘違いされて更に嫌がらせ受ける可能性だってあるよ？」

確かに龍友くんの言う通りだけど
何もしないってわけにもいかないし
どうしたらいいものか。

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「玲於〜いけたで、千夜ちゃん」

「え、早くない？」

「やったことあっさり認めた。あとで詳しく話す」

作戦会議っぽいことしてから数日しか経ってないのに
龍友くんはもう裏取りしてきたらしい。

「Aちゃん、やっぱり脅されてたわ」

聞くと、千夜ちゃんは俺とAの写真で
「別れないとこれを公にする」と脅していた。

「写真の提供元が脇山ちゃんらしいねん。これ。千夜ちゃんには目の前で消させた」

見せてもらった写真には間違いなく
手を繋いだ俺とAが写っていて
記憶を辿るとそれは去年、
一緒に中華を食べに行った日に撮られたものだ。

普段からこういうのは
人一倍気にしていたAだからこそ
従うしかなかったんだろう。

「……それにしてもよく聞き出せたね」

「んー？こっちも色々ネタあったしなあ。もう脇山ちゃんも逃げられんやろ……千夜ちゃんの言う通り写真他には出てないみたいやし、田鍋選手のこともあるから完全に脇山ちゃんの私欲としか思えんけど」

もっと気にしてあげることができれば
よかったんだろうか。
全部自分のせいにしようとして……
守ってあげようなんて思ってたのに
守られてたのは俺の方だった。

「馬鹿だなあ……ホント」

龍友くんはなだめるように俺の肩を軽く叩く。

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