続とあるオタモブの憂鬱ー8 ページ9
放課後―
積み上げられた本の隣には目標のクシナがいた。只今、彼はベンチに座って優雅に読書タイムへ入っている。
そんな彼を某は茂みの影からこっそりと覗き見ていた。
今日一日クシナを観察してみたのだが、敢えて言おう。
A・クシナはただの凡人。特に目立つこともなく、かと言って存在感が薄いわけではない、至って普通の生徒だ。
確かに人目を引く顔立ちと『極東人』という素晴らしい肩書きはあるものの、それ以外は他の生徒と対して変わらない。
彼に近しい存在といえばオンボロ寮の監督生になるのだが、あちらの場合は結構なトラブルに巻き込まれていることもあってある意味目立っている。
結論から言うと、クシナは某の(萌えキュン)ゾーンにかすりもしない相手ということだ。
こういう相手だと、なかなか創作意欲が湧かないんだよな。あまりにも普通すぎて全くネタが浮かんでこないし。
あー…観察すればなんか面白いネタでも降ってると思ったんだが、こりゃあ難儀な課題になりそうだ。
もうちょっとギャップ萌えみたいなところがあればいいんだが…今の発言はなかったことにしよう。
そこは今まで書いてきたネタを参考にしつつ書けばいいんだ。要はジェイド・リーチが納得する作品を書けばいい。その課題さえクリアできれば愛しのネタ帳が戻ってくる。
ならばとっとと寮へ戻ってネタを考えよう。ガサガサと音を立てながら匍匐前進で茂みから顔を出す。
「うおっ!!」
突然の叫び声と大きな振動が響いた。
見ると、そこには尻もちをついた生徒が一人と、某を見て驚いた表情をする生徒が二人立っていた。そして彼らにはその寮特有の獣の耳と尻尾が…ゲゲッ、こいつらサバナクローの生徒じゃんか。
「イテテ…急に現れやがって」
「おい大丈夫かよ」
某そっちのけで尻もちをついた生徒を心配するサバナクロー組。
よしっ、今のうちに退散しよう。相手に気付かれないよう四つん這いのままそそくさとその場を離れようとする。
「オイ待てコラア」
が、速攻でバレてしまった。力強く肩を掴まれて、逃げ場を失ってしまう。
「さっきはよくも俺を転ばせやがったな。どう落とし前つけてくれんだよ」
最悪だ。ここ最近、不運すぎないか。
「ス、ススススミマセン」
相手の耳に届くのかと思うぐらい小声で謝ってしまう。だがそんな謝罪も無効は素直に受け取ってくれない。
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フウカ(プロフ) - ゆうぺぺさん» コメントありがとうございます！また体調にも気を遣って頂き嬉しい限りです。これからも頑張って更新していきます。 (2021年12月3日 23時) (
レス) id: 5e636c9530 (このIDを非表示/違反報告)
ゆうぺぺ - 更新ありがとうございます！また、面白そうなお話ですね、リドルくんがいない中どうなるのか、楽しみです！！ 体調にお気をつけて更新頑張ってください (2021年12月3日 19時) (レス) id: 1e7c50770b (このIDを非表示/違反報告)
フウカ(プロフ) - ゆうぺぺさん» コメントありがとうございます。こういった評価を頂いて嬉しい限りです!!これからも頑張ります！ (2021年8月9日 15時) (レス) id: 80abe09472 (このIDを非表示/違反報告)
ゆうぺぺ - 続編おめでとうございます！！今回の番外編もとても面白かったです！ジェイドさん、、頑張れ！本編の方もとても読みやすく、面白いです！これからも自分のペースで頑張ってください！！ (2021年8月8日 19時) (レス) id: cad7fa7d96 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：フウカ | 作者ホームページ：http naru1
作成日時：2021年7月12日 20時
