とあるCAMPの裏側ー15 ページ40
ケイト先輩のせいで変な想像しちゃったじゃないか。
でも先輩の言った通り、ジャミル先輩って大の虫嫌いじゃなかったっけ。
キャンプ場に虫がいるのは当たり前なわけだし、よく行く気になれたな。
「あーそれは大丈夫みたいだぞ」
カリム先輩は今朝のジャミル先輩のことについて話す。
「今朝ジャミルのリュックを見たら、大量の殺虫剤が入ってたんだ。虫対策もばっちりしてるみたいだし、ホントジャミルは用意周到だよな!」
「え、あの、ジャミル君は虫でも駆逐しに行くの?」
ハハハ、と元気よく笑うカリム先輩をよそに、ケイト先輩は口元を引き攣らせたままさり気なくツッコミを入れた。
一方で私はそれを聞いて、あーやっぱりそうか…と納得する。
抜かりないな、先輩。カリム先輩の話を聞いて、ジャミル先輩が黒い笑みを浮かべながらリュックサックへ殺虫剤を入れる姿を容易に想像できた。
やれやれ、と周囲が呆れているとケイト先輩のスマホからピピピピ、と電子音が鳴り響く。
「あ、もうこんな時間。カリム君、そろそろ軽音部の集まりに行かないと」
スマホの時間を見てケイト先輩は慌てて立ち上がった。
「お、もうそんな時間か。リリアも待ってるだろうし、急いで行くか」
「じゃ、お先に失礼するね〜」と軽く告げてケイト先輩たちは食堂を後にする。
ケイト先輩たちの姿が見えなくなってから数分後、隣から「あ、そういえば…」と何かを思い出したかのようにトレイ先輩が口にする。
「俺たちもこれからサイエンス部の活動があったな。ルーク、今日は何時から始まるんだ?」
「今から30分後に開始さ。でも早めに準備するものもあるだろうし、今のうちに行ってもいいかもしれないよ」
「そうだな」
ルーク先輩の意見に同意したのか、先輩はおもむろに立ち上がると既に食事が済んだトレーを持ち上げた。
「悪いが、俺たちもここで失礼するよ」
「あ…はい。部活頑張ってください」
「それじゃあ…」と軽くウィンクしながら颯爽と去って行くルーク先輩に、私はただ苦笑いするしかなかった。
一気に人が抜けたことで静かになった食堂。残っているのは私と…ヴィル先輩のみ。
はっきり言おう、すごく気まずいです!
「あ、あの…先輩はこの後、お仕事か何か入っていたり…」
「今日はオフよ」
「あ…そうですか」
仕事じゃないのかよ。普段ならモデルや俳優とかの仕事で不在のくせに。
「えっと、じゃあ私もそろそろお暇します…」
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フウカ(プロフ) - ゆうぺぺさん» コメントありがとうございます!また体調にも気を遣って頂き嬉しい限りです。これからも頑張って更新していきます。 (2021年12月3日 23時) (レス) id: 5e636c9530 (このIDを非表示/違反報告)
ゆうぺぺ - 更新ありがとうございます!また、面白そうなお話ですね、リドルくんがいない中どうなるのか、楽しみです!! 体調にお気をつけて更新頑張ってください (2021年12月3日 19時) (レス) id: 1e7c50770b (このIDを非表示/違反報告)
フウカ(プロフ) - ゆうぺぺさん» コメントありがとうございます。こういった評価を頂いて嬉しい限りです!!これからも頑張ります! (2021年8月9日 15時) (レス) id: 80abe09472 (このIDを非表示/違反報告)
ゆうぺぺ - 続編おめでとうございます!!今回の番外編もとても面白かったです!ジェイドさん、、頑張れ!本編の方もとても読みやすく、面白いです!これからも自分のペースで頑張ってください!! (2021年8月8日 19時) (レス) id: cad7fa7d96 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:フウカ | 作者ホームページ:http naru1
作成日時:2021年7月12日 20時