178話 ページ32
「ジャミルさん、病み上がりに無理はいけませんよ？必要なら僕を頼ってください」
「遠慮しておく。お前に貸しを作ると、ロクなことにならないからな」
爽やかな笑顔でアーシェングロット先輩は手を差し伸べるが、先輩の本性を見抜いているバイパー先輩は丁重に断っていた。
「そっちこそ不慣れな砂漠で干上がらないようにせいぜい気をつけることだ」
気遣っているのかそれとも挑発しているのか分からないが、バイパー先輩は余裕の表情を見せつけてくる。
「あっはっは！お前たちすっかり仲良くなったな！」
能天気に笑うカリム先輩をよそに、グリムが「ぜってー違うんだゾ…」とツッコミを入れてきた。
炎天下の中歩いているので自然と汗が流れ落ちてくる。
頬に流れる汗を手で拭い取っていると、目の前にペットボトルが差し出された。
「こまめに水分補給を摂取しないと脱水症状になりますよ」
ペットボトルを差し出してくれたのはジェイド先輩だった。
私と同じくらい歩いているというのに、何故この人は汗一つかいていないのだろう。
「…ありがとうございます」
取り敢えず素直に受け取っておきましょう。
受け取ったペットボトルのキャップを開き、少し飲む。
未開封の水のわりには簡単にキャップが開いたことに少し違和感がありますが…
ゴクゴクと水を飲んでいると、ジェイド先輩の傍らにフロイド先輩が駆け寄ってきた。
「あれ〜ジェイド。それ、さっきジェイドが飲んだやつじゃ…」
「ええ、そうですよ」
「ブーーーーッ!!!!」
思わず吹き出してしまった。
「A、大丈夫!?」
ゲホッゲホッと咳き込む私の背中をユウくんが優しく擦ってくれた。
なんてことを…半分以上飲んでしまったじゃないですか。
「Aさんと間接キスになりましたね」
クスクスと笑うジェイド先輩だが、今だけその笑顔に殺意が湧いてしまう。
「よし、オアシスが見えてきたぞ」
先頭の方からバイパー先輩の声が聞こえてきた。
あと少しでオアシスに到着できる。
「ふな〜早くご馳走食べたいんだゾ〜」
「うんうん。最高のホリデーパーティにしなきゃな。パーッとやろう！」
「それっ！オアシスまで競争だ！」とカリム先輩の合図に皆が一斉に走り出した。
この小説をお気に入り追加 (しおり)
登録すれば後で更新された順に見れます 736人がお気に入り
お気に入り作者に追加
この作品を見ている人にオススメ
この作品を見ている人にオススメ
「ツイステ」関連の作品
違反報告 - ルール違反の作品はココから報告感想を書こう！(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)
フウカ(プロフ) - 迅さん» コメントありがとうございます。ゲームが進み次第、随時更新していきます。これからも頑張ります！ (2020年9月24日 20時) (
レス) id: 80abe09472 (このIDを非表示/違反報告)
迅 - 番外編もこのシリーズも一気読みさせていただきました。読みやすい文章でサラサラと時間を忘れて読んでしまいました。ツイステもついに5章！更新頑張って下さい！ (2020年9月24日 18時) (レス) id: 7c87ff4c21 (このIDを非表示/違反報告)
フウカ(プロフ) - パルズさん» コメントありがとうございます。初めてそんなことを言われたので、ものすごく嬉しいです!!これからも、頑張って更新していきます。 (2020年8月19日 23時) (レス) id: 80abe09472 (このIDを非表示/違反報告)
パルズ - 一気読みしました！読んでてわかったんですけど、物語書くの上手ですね！読みやすいですし、表現が分かりやすくて文才があるんですね！これから更新頑張って下さい！ (2020年8月19日 23時) (レス) id: 51ed3ca6ee (このIDを非表示/違反報告)
フウカ(プロフ) - 琥珀さん» コメントありがとうございます。こういったコメントを頂けるだけで嬉しい限りです！これからも頑張ります！ (2020年8月15日 19時) (レス) id: 24bde02993 (このIDを非表示/違反報告)
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名：フウカ | 作者ホームページ：http naru1
作成日時：2020年8月6日 15時
