169話 ページ23
あれからどれくらい経過したのだろうか。
気付けば砂は腰辺りまできている。既に腰から下は砂の下へと沈んでしまった。
「食料も飲み物も、全部持ってこい！」
談話室にて玉座に座るバイパー先輩は寮生たちへ命令し、談話室は酒池肉林状態に変わっていた。
「今日は宴だ。阿保な王が消え、真の実力者王になった記念日だからな！ああ、とても清々しい気分だ…いくらでも湧き上がってくる」
『仰せの通りに、ご主人様…』
ガラス越しからにはなるが、正しく悠々自適な過ごし方をしている。
ある者は大きな葉で仰ぎ、またある者は先輩に飲み物を注ぎ、そしてほとんどの生徒は床に額を擦りつける勢いで跪いていた。
「ジャミル様こそスカラビアの王にふさわしい…」
『ジャミル様、万歳！』
「ははは、そうだろう。もっと言え。俺を褒め称えるがいい」
寮生たちに褒められて上機嫌な先輩はもっと褒めろと催促してくる。
「あなた様は、とてもハンサムで…」
あれ、この声どこかで聞き覚えが…もしかしてアーシェングロット先輩!?
声の主に気付いていないのか、バイパー先輩は言葉を続けるよう促す。
「ほう？」
「色黒で、背が高くて…」
今度はグリムの声だ。
「それで？」
「目が吊り上がっていて、とても賢そうです」
続いてジェイド先輩。
「それから？」
「肩がイカッてて…」
「見るからに強そうなかんじだな！」
フロイド先輩とカリム先輩の声もする。
「とってもステキです」
そして、ユウくんの声も。
「ふん。なかなかの誉め言葉じゃないか…って、お前たちは!?」
あっ、やっと気が付いたようですね。
「時空の果てまで吹き飛ばしたはずだ。この短時間でどうやってここまで戻ってきた？」
「乾いた川に水を満たして泳いで帰ってきた！」
「思ったより遠くて、かなり疲れた〜」
カリム先輩とフロイド先輩の話からすると…砂漠まで飛ばされたユウくんたちだが、カリム先輩のユニーク魔法により川を作り、フロイド先輩とジェイド先輩にここまで泳いで戻ってきたようだ。
そういえば、リーチ先輩方って人魚でしたしね。
「なんだと!?…チッ、そうか。カリムのユニーク魔法で…！」
言葉からしてバイパー先輩もその経緯を理解したらしい。
「フン、お前の魔法にも使い道があって良かったじゃないか」
普段は役に立たないと思っていたんだがな、と先輩は鼻で笑う。
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フウカ(プロフ) - 迅さん» コメントありがとうございます。ゲームが進み次第、随時更新していきます。これからも頑張ります！ (2020年9月24日 20時) (
レス) id: 80abe09472 (このIDを非表示/違反報告)
迅 - 番外編もこのシリーズも一気読みさせていただきました。読みやすい文章でサラサラと時間を忘れて読んでしまいました。ツイステもついに5章！更新頑張って下さい！ (2020年9月24日 18時) (レス) id: 7c87ff4c21 (このIDを非表示/違反報告)
フウカ(プロフ) - パルズさん» コメントありがとうございます。初めてそんなことを言われたので、ものすごく嬉しいです!!これからも、頑張って更新していきます。 (2020年8月19日 23時) (レス) id: 80abe09472 (このIDを非表示/違反報告)
パルズ - 一気読みしました！読んでてわかったんですけど、物語書くの上手ですね！読みやすいですし、表現が分かりやすくて文才があるんですね！これから更新頑張って下さい！ (2020年8月19日 23時) (レス) id: 51ed3ca6ee (このIDを非表示/違反報告)
フウカ(プロフ) - 琥珀さん» コメントありがとうございます。こういったコメントを頂けるだけで嬉しい限りです！これからも頑張ります！ (2020年8月15日 19時) (レス) id: 24bde02993 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：フウカ | 作者ホームページ：http naru1
作成日時：2020年8月6日 15時
