149話 ページ3
「それ、いいな！オレもジャミルの仕事が楽になる方法はないかとずっと思ってたんだよ」
カリム先輩は感動したのか目をキラキラさせて喜ぶ。
「従者を思いやるカリムさんのお気持ち。美しいですね。アズールに爪の垢を煎じて飲んでいただきたいくらいです」
「はっはっは。本当にお前は一言余計だな、ジェイド」
爽やかな笑みを浮かべるアーシェングロット先輩だが、その足元では容赦なくジェイド先輩の爪先を踏みつけていた。
「そんなわけで、ここは僕らに任せて。ジャミルさんはのんびりくつろいでください」
「そうさせてもらえ、ジャミル！良かったな！」
この場にバイパー先輩を味方する者は誰1人いないだろう。もちろん私もですが。
「さあさあジャミルさん。お部屋に戻って二度寝でもなさってください」
ジェイド先輩に肩を押されて、バイパー先輩は強制的に部屋から追い出されることとなった。
まずは第1関門を突破。
「さて、次は―」
アーシェングロット先輩は次の作戦を実行しようとニヒルな笑みを浮かべた。
カリム先輩の準備をしている間、私たち(ジェイド先輩とグリムを除く)は先に談話室へ訪れていた。
談話室からはフロイド先輩とバイパー先輩、それから寮生の声が聞こえてきた。
「そういえば、今日の朝のオアシスへの行進の準備は出来てるのか？いつも朝食は行進の後なのに…」
待ってましたと言わんばかりに、アーシェングロット先輩が彼らの会話へ割って入った。
「その件についてですが、オクタヴィネルの寮長たる僕からスカラビア寮長たるカリムさんへ改善案を提案しまして」
「わっ、なんだ急に！」
「長距離歩行という有酸素運動より…室内で適度な筋トレを行った方が持久力や筋力の改善には大きな効果があります。なによりスカラビアの砂漠は熱いですから熱中症も心配ですし」
「てかさー、庭にでかい噴水あんじゃん。体力つけたいなら泳いだ方がいいって。楽しいし」
そう言いながらフロイド先輩が噴水の方を指差す。
楽しいかどうかは分かりませんが、水練も良い運動方法だと聞いたことがある。
これだけ暑い気候ならば、歩行よりも水練の方が適しているかもしれない。
「そうですね。これは実体験ですが、歩くより泳いだほうが脂肪燃焼効果も期待出来ます」
実体験とは…人魚の経験からして、ということだろうか。
この小説をお気に入り追加 (しおり)
登録すれば後で更新された順に見れます 736人がお気に入り
お気に入り作者に追加
この作品を見ている人にオススメ
この作品を見ている人にオススメ
「ツイステ」関連の作品
違反報告 - ルール違反の作品はココから報告感想を書こう！(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)
フウカ(プロフ) - 迅さん» コメントありがとうございます。ゲームが進み次第、随時更新していきます。これからも頑張ります！ (2020年9月24日 20時) (
レス) id: 80abe09472 (このIDを非表示/違反報告)
迅 - 番外編もこのシリーズも一気読みさせていただきました。読みやすい文章でサラサラと時間を忘れて読んでしまいました。ツイステもついに5章！更新頑張って下さい！ (2020年9月24日 18時) (レス) id: 7c87ff4c21 (このIDを非表示/違反報告)
フウカ(プロフ) - パルズさん» コメントありがとうございます。初めてそんなことを言われたので、ものすごく嬉しいです!!これからも、頑張って更新していきます。 (2020年8月19日 23時) (レス) id: 80abe09472 (このIDを非表示/違反報告)
パルズ - 一気読みしました！読んでてわかったんですけど、物語書くの上手ですね！読みやすいですし、表現が分かりやすくて文才があるんですね！これから更新頑張って下さい！ (2020年8月19日 23時) (レス) id: 51ed3ca6ee (このIDを非表示/違反報告)
フウカ(プロフ) - 琥珀さん» コメントありがとうございます。こういったコメントを頂けるだけで嬉しい限りです！これからも頑張ります！ (2020年8月15日 19時) (レス) id: 24bde02993 (このIDを非表示/違反報告)
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名：フウカ | 作者ホームページ：http naru1
作成日時：2020年8月6日 15時
