【ツイステ】モブなのに、絡んでくるのはなぜ？14 (ページ10)

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646話ページ10

【この身に宿った“呪い”は、僕を強くしてくれる“祝福”だった。僕は『冥府』に充満したブロットを身体に取り込み、燃やし続け……ついに、『冥府』そのものになったのさ！】

喜びを表すかのようにオルトくんは両腕を広げる。
すると、彼の周囲からおぞましい声が聞こえてきた。

【アア……ヤットデラレタ……アタタカイ……アタタカイ………ナガカッタ……コノトキヲ……マチワビタ……】

次々に流れてくる歓喜の声に、より不気味さと不快感が込み上げてくるようだった。
その声を耳にして、ハント先輩が怪物の正体を口にする。

『そうか……大量のファントムが結合し、巨大な姿を形作っているのか！』

『信じられない。あの禍々しい姿をした怪物(ファントム)が、オルトだっていうの？』

どんなことをすればあんな不気味なファントムへと変貌するのだろうか。
有り得ないと口にするシェーンハイト先輩の傍らで、エペルくんが声を上げた。

『ち、ちょっとまって……見て！ホラ！オルトクンの、肩のところ！』

エペルくんが指した先を皆が一斉に注目する。
怪物と化したオルトくんの右肩に何やら小さな物体が蠢いていた。

「ヴヴ…………イシ……クロイイシ…………」

灰色の毛に三叉の尻尾、そして耳部分に青い炎を灯した獣。
ユウくんにとって相棒でありかけがえのない存在でもある―

『グリム!!』

地下中にユウくんの叫びが響く。
グリムはユウくんの声に応えることなく石を求めており、身動きができないまま怪物と一体化しようとしている。

『どうしよう……グリムが取り込まれてる!?』

切羽詰まった声を出すユウくんに、ハント先輩は悔しげに言った。

『なんてことだ。まさか『冥府』に迷い込み、オルトくんに取り込まれてしまっていただなんて！』

『引き剥がさなきゃ……でも、どうしたらいいんだ!?』

戦うといっても今までのような戦い方ではグリムが危険な目に遭ってしまう。
どうすればいいかと尻込みするエペルくんに、シェーンハイト先輩が渇を入れる。

『どうもこうもないわ。ここでアイツらを食い止めなきゃ、グリムも戻ってこないし、アタシたちの“普通”の生活も戻ってこない！』

先輩の言う通り、私たちがやるべきことはただ一つ。
目の前にいる彼ら(シュラウド兄弟)と戦わなくてはならないことだ。