【ツイステ】モブなのに、絡んでくるのはなぜ？14 (ページ6)

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642話(大詰め編) ページ6

プシュ、と音を鳴らしながら格納庫の扉が閉まっていく。
上層から降りてきたこともあり、地下の不気味さはより際立っていた。
しかし今までの階層に比べて薄暗さはなく、中心から輝く不気味な光のおかげで周囲の視界ははっきりとしている。

「これは一体…………!?」

リドル寮長が下を覗き込んだ瞬間、思わず声を失う。
底の見えない沼だった。一度落ちてしまえば二度と抜け出せない底なし沼。
そこから歪みに応じるように聞こえてくる、低い唸り。まるでこちらへ引き寄せるかのようにも聞こえた。

肌が粟立つ、そんな言葉が相応しいくらい身震いを隠せずにいる。

「まさか、『冥府』の門が開いたということですか？」

アーシェングロット先輩が震える声で問う。
だが、目の前のことに驚愕するあまり、誰一人先輩の問いに答える者はいなかった。

一同が言葉を失う中、寮長の懐から電子音が響く。

「この音は……トランシーバーの呼び出し音だ！」

リドル寮長はすかさずトランシーバーを取り出すと赤のボタンを押す。
すると、トランシーバーから第1タワーのシェーンハイト先輩、第2タワーのキングスカラー先輩の声が聞こえた。
どうやら他チームも無事に地下へ辿り着いたようだ。

「第3タワー、リドル・ローズハート。どうぞ」

『よかった！全員繋がったね。こちら管制室』

数秒雑音が流れた後、管制室から男性職員の声が流れた。
シェーンハイト先輩が地下の現状を問いかける。

『一体なにが起こってるの？どうぞ』

『『冥府』の門が開き始めた。ブロット濃度がさらに上昇を続けている。『タルタロス』下層フロアに留まるのは非常に危険だ。今すぐ離脱せよ！』

今すぐ離脱って……今更そんなことを言われましても。

周囲が戸惑う中、シェーンハイト先輩が代表して声を上げた。

『今すぐ離脱といったって……何時間もかけて降りてきた階段を駆け上がれっていうの!?』

無謀にも程がある、と先輩が続けて言うと、職員が大丈夫と応えた。

『突貫工事だが、なんとか数台の『チャリオット』をオルトの制御下から切り離すことに成功した。今そちらに3台の『チャリオット』を向かわせている。それに乗ってくれ！』

職員の話からして、脱出用の乗り物をこちらへ手配してくれるようだ。
短時間とはいえオルトくんの制御下から切り離すとはさすがですね。

私の気持ちを代弁するかのようにキングスカラー先輩が皮肉交じりに言った。