【ツイステ】モブなのに、絡んでくるのはなぜ？14 (ページ5)

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641話ページ5

「人命、救助ですか……」

「そう。人命救助だ。あの時、Aはボクを助けるために実行したことだろ？現にそのおかげでファントムを倒したんだから、あの行為は立派な貢献でもある」

「は、はあ……」

そう思っていただけるのであれば、いいのですが。

「結論、あれは人命救助の一種に過ぎない。それで決まりだ、以上」

あまりにもあっさりと解決してしまった。
まあ、救助に近い行為ではありましたしね。深い意味はありません。
人工呼吸、そう人工呼吸ですよ。

リドル寮長もこの話は終わりと言ってますし、そう結論付けましょう。

「わ、分かりました」

ハハハハ、と互いに乾いた笑いをするが、やはり顔を合わせると気まずくなる。

「………人命救助、そう人命救助なんだ……」

不意に小さな声を耳にする。
微かな声だったため、寮長が何を話したかは分からない。
ただ視線を向けた時には彼は両膝に顔をうずめていた。

1時間が経過した時だった。

ドゴオオオン!!!と、つんざくような音と激しい揺れに一同が大きく反応する。
寮長に凭れかかっていたアーシェングロット先輩が勢いよく飛び起きた。

「なっ、なにごとです!?」

「外から轟音が……まさかまたタイタンか!?『雷霆の槍』の充電は……」

リドル寮長が立ち上がるよりも先に私は急いで充電ステーションへ駆け出す。

《現在、充電は30％完了しています》

「まだ3分の1しか溜まってません！」

大声で報告すると、先輩は苦虫を潰す表情で言った。

「それでも何もないよりはいいはずだ。持っていきましょう！」

「わかった。行こう！」

充電ステーションから『雷霆の槍』を外すと、自分に渡すようにとリドル寮長が杖を向けてきた。
大人しく槍を渡すと、寮長は魔力で槍を浮かせて扉へと向かう。
その後ろにアーシェングロット先輩が続く。
最後に私だ。

いよいよ次で大詰めだ。
この先、鬼が出るか蛇が出るか。いや、この場合恐ろしい兄弟が出るかタイタンが出るかですかね。
どちらにしても私はここを生きて出る。絶対に出てみせます。

例え―犠牲が出たとしても。