【ツイステ】モブなのに、絡んでくるのはなぜ？14 (ページ30)

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666話ページ30

「ホント目障り。どこまでも邪魔して何が楽しい。お前らみたいな何もできない奴らに邪魔されることが一番腹立たしいんだよ！」

何度も揺さぶられるせいで掴まれた部分が痛い。このまま頭皮ごと抜けるのではないかと危惧してしまう。

がっくりと項垂れる私を見て、シュラウド先輩はフヒッ、と喉をそらせて笑った。

「そうそう。なんにもできない役立たずはこのまま大人しく絶望しとけばいいんだよ。大丈夫、いずれはみんな同じところへ行くことになるからさ」

見透かしたように先輩はせせら笑う。

「大丈夫。アンタみたいな存在感の薄いモブキャラは早々に退場しても誰もきづかな……」

気付かない。そんな台詞を最後まで言えないままシュラウド先輩の頬へ風が吹き抜く。
風を切ったと表現した方がいいかもしれない。
その直後、先輩の頬に強烈な蹴りが叩き込まれた。

叩き込んだのはもちろん私だ。

鋭い一撃が炸裂したことで、シュラウド先輩の体は呆気なく吹っ飛んでいく。
それを睨みつけながら言った。

「煩いんですよ。普段は弱腰のくせに、強くなった途端大口叩きやがって。そう言うの極東ではこう言うんですよ。

弱い犬ほどよく吠えるって」

「こんの虫けらがあぁぁ～っ!!!」

先輩が咆える。
怒りに任せて全身が赤い炎で覆われていく。

ハハ、完全に怒らせてしまいましたね。
やってしまったと反省しつつ、なんとか自力で立ち上がる。

勝てないと分かってはいますが、諦めたくはない。
マジカルペンを握り締め、いつでも戦えるよう身構える。

「殺してやる……！お前だけは僕の手で終わらせてやる!!」

立ち上がった先輩が両手に炎を召喚する。
今にも攻撃繰り出そうとした、まさにその時。

【兄ちゃん、上を見て！】

上空を目指して壁を這い上がっていた怪物が上を指すように叫ぶ。
塔の上空から機体が降下してくる。
その機体、『チャリオット』に搭乗していたのは最後のチーム。シェーンハイト先輩率いる第1タワーチームだった。

【最後はタンクと遠隔アタッカーのパーティーか。盾役が2人いるなんて、ラスボス戦らしい編成だね】

彼らの姿を捉えたオルトくんは、登るのをやめて大人しく彼らが来るのを待った。
シュラウド先輩も怒りが治まったのか、赤から青へと色が戻る。
そして私など眼中にないまま弟の元へと移動した。