【ツイステ】モブなのに、絡んでくるのはなぜ？14 (ページ22)

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658話ページ22

【次は僕らの番だよー】

そう言って怪物の両拳から氷が出現する。

「来るか！」

スズキくんの忠告を耳に入れていたバイパー先輩がペンを構えたまま前へ出る。
前方に二重の結界を発動させて攻撃を防ごうとした。

「待って下さい先輩！防御魔法は……」

先の戦闘時と二の舞になってしまう。
慌てて警告を入れるが、それよりも早くオルトくんの攻撃が放たれようとしていた。

二つの氷の塊は勢いよく突っ込んでいき、結界を容赦なく崩していく。
このままでは2人の身が……

するとバイパー先輩を庇うようにしてキングスカラー先輩が前へと押し出る。
先輩は勢いよく杖を振り下ろすと、杖の先から烈火が勢いよく振り出した。
火は一気に氷の塊を包んでいき、攻め入ろうとする威力を徐々に弱らせていく。
ついにはボール程の大きさへと変化し、2つの氷はキングスカラー先輩の足元へと転がり落ちていった。

寸でのところで攻撃を防ぐことができ、思わず安堵の吐息を洩らしてしまう。
が、安堵したのも束の間。キングスカラー先輩が鋭い眼光で振り返り、低い声で咆えた。

「テメェ………防御魔法が容易に破られることぐらい先に言え!!余分な魔力使っちまったじゃねえか！」

「す、すみません！」

先輩の威圧感にすぐさま謝罪を入れる。
スズキくんが言った時に話せばよかったですね。ホントに申し訳ありません………

「レオナ先輩、ありがとうございます」

「礼は後にしろ。今は目の前のバカ兄弟をどうにかすることが先だ」

バイパー先輩がお礼を述べるも、キングスカラー先輩は素っ気なく返す。
その態度にバイパー先輩は眉を顰めることなく淡々とした口調で言った。

「今までの流れから見て、攻撃はオルトに任せてイデア先輩はそのアシストと防御に徹底してますね」

「ああ。今まで見てきたオーバーブロットと違うとすれば……あの怪物が主人に従って戦っていたのに対し、今回はオルトという“自我”のある怪物がいるということだな」

「上手い具合に連携が取れている」とキングスカラー先輩は付け足す。

先輩の言う通り、今まではオーバーブロットした者たちの意思に従って動いていた。
しかし今回の場合は全くの例外である。オルトくんそのものがシュラウド先輩の怪物となり、自我を保った状態で戦うことができる。
2人で1つ。まさしく一心同体であった。