斉木空助のψ愛２【斉木楠雄のψ難】

天ψ科学者VSイケメン俳優２ ページ17

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よく分かっていないであろう六神通に説明しろ、と斉木さんは私に向かって顎を動かした。

全く人遣いの荒い人だが、今は異議を唱えられる立場ではないので、黙って従った。


「ゲインロス効果とは、所謂ギャップ萌え……みたいな事で、ゲインは得るもの、ロスは失うものという意味です。つまり斉木さんが言いたいのは、六神さんが隠していた素顔を見せる事でギャップを狙っていたのでは、という事ではないでしょうか」

「ええ？こんな事すら分からないのかい？そんな頭でよくこの子を口説こうとしたよね〜、アッハッハ！」

「…………」
本当に斉木さんは、人を小馬鹿にする才能がピカイチだ。

「……あーもう我慢ならねェ……俺は心美一筋なんだよ！！こんな無愛想女なんて口説くか！」


……あ、そっちでキレるの？

てっきり「馬鹿にすんじゃねェぞ！」みたいな感じで怒るのかと思っていたが、予想は外れたようだ。
どこまでも妹第一！の姿勢は、呆れを通り越して感動すら覚える。

そしてもう化けの皮剥がれてるけど、いいのか有名人。


「へ〜。随分と態度が変わったけど、それが君の本性かい？」

「あーそうだよ。どうせお前も俺の事知らないみたいだし、もういいわ面倒くさいし」
いいのかよ。

「そっか、君有名人なんだっけ？」

「日本では『六神通』という芸名で、トップアイドルの方らしいんです」

「トップアイドル(笑)ね〜」

「おい今確実に馬鹿にしただろ！？ほんっとお前らムカつくな！……てか話脱線してるけど、俺は本当にこいつ口説いてなんかいないからな！心美一筋だから！他の人間なんて猿にしか見てないから！」

「なんかこの台詞どこかで聞きました」

「気のせいだよ」


斉木さん、貴方が言ってたんでしょう。
なんか、この２人似た者同士っぽいな。

兄弟の兄、妹や弟に強い執着を抱いている、他の人間に興味がない、我が強い。
あと無駄にイケメン。無駄に。

そんな事を思っていると、斉木さんがアルカイックスマイルを浮かべながらこちらを見ていた。

これは、また考えを読まれてる……。
サッと斉木さんから視線を逸らした。


「なんならお前も心美の写真見るか！？心が浄化されるぞ！特別に見せてやるよ！えーと、どれがいいかな……制服姿もいいし、いやここは私服姿が心美の魅力を存分に思い知らせられる……」

「何百枚も見たので、もういいですから。美人で胸焼け起こすって相当ですよ」

「あん？お前そんな事言って、彼氏が心美の写真見て心変わりしないか不安なんだろ？」

「え？」

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