【オリジナル】ありふれてない日常 (ページ10)

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明けた夜空―３― ページ10

その後の授業はどうにか生き残ることができた。
さて、今は帰りのホームルームの時間だ。
＿＿厳密に言えば、帰る言うよりも、自室に戻る、と言うほうが正しい気もするが。
ちなみに、このクラスの担任はさくじゅんなので、今、教室にはさくじゅんがいる。

「よし、号令掛けろ」

すると、教室が静まりかえる。＿＿号令まだか？

「……咲坂あ！」

と、なぜか私が怒られた。
すると、今日の号令は私であったことを思い出した。
そして、勢いよく立ち上がる。後で聞いたら、椅子を引く音が煩かったらしい。
それよりも、なぜ私は立ったのだろうか。帰りのホームルームは立たなくて良いのだが。
誰もつっこんでくれなかったので、そのまま続けた。

「気をつけー、礼！」
「お願いしまーす」

そして、さくじゅんは私に向かって言った。

「おまえはこういった小さいことを忘れるのをいい加減直せ」

かなり鋭い目付きで見られた。

「あう……はい、スミマセン」

さすがに謝った。そのくらいの礼儀はある。
そして、さくじゅんは単調な口調でホームルームを進めていった。その口調のせいで眠くなってしまい、軽くボーッとしていたら、隣から肩をつつかれた。

「んあ……？」
「寝るなー……！」

隣の席の男子。彼の名前は、澄瞳樹。澄んだ瞳と書いて、『すどう』と読む。凄い名前だと思う。
ちなみに、たまに一緒に戦闘に行ったりもする。

「＿＿という訳で、早く部屋に戻れ。戻って勉強しろ」

どうやらホームルームが終わったらしい。号令を掛けようと、また立ち上がる。

「きりーつ」

ガタガタと椅子を引く音が聞こえる。

「気をつけー、礼！」
「さよならー」

その瞬間、教室内が煩くなる。

「ふおおおお、終わったー！」

背筋を伸ばして言う。
すると、教室の前のドアから、玲さんが入ってきた。

「いつもの四人組プラス一人！仕事よ」

おそらく、私たちのことだ。

「はい！」

＿＿まじかあ。
多分、私たち全員が、そう思った。