【オリジナル】ありふれてない日常 (ページ9)

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明けた夜空―２― ページ9

なんやかんやあったが、とりあえずホームルームが終わった。

「一時間目は理科からだぞ、準備しとけー」

理科……だと……？不得意分野じゃん。本当に憂鬱な日だ。
軽く魂が抜けそうになる。

「大げさだよ！？戻ってこーい！聖香ー！」

絵真に肩を揺さぶられる。

「＿＿はっ！ありがとう」

危うく死ぬところだった……。

「大丈夫かよ」

後ろから声を掛けられる。この声は……

「愛依か。うん、なんとか」
「苦手な科目くらい、気合いでどうにかするんだ」

逆に、気合いでどうにかなるものなのか。そう思ってしまう。

「ま、まあ、勉強すれば内容もわかるんでしょ？なら平気だよ」

と、絵真が言う。まあ、勉強すればの話だが。

「むう、そんなもんかねえ？」

と、愛依が腕を組む。
＿＿そんなもんなんじゃないか？
と、ここで、花音がいないことに気づく。

「ねえ、花音はどこに行ったの？さっきからいない気がするんだけど……」

そう言うと、二人は「確かに」と頷いた。
すると、後ろから笑い声が聞こえた気がした。振り向いてみたが、誰もいない。
＿＿なんだ？もしかして……。

「また新しい魔法を考えたの？花音さんや」

私が空気に向かって言っているのを見て、後ろの二人から、物凄く変な視線を送られる。だが気にしない！
すると、空間から急に、

「ばあ！」

と、花音が現れた。

「どわあ！？」

愛依と絵真は気づいておらず、椅子から転げ落ちんばかりに驚いた。

「な、なにやってるんですか花音さん！」

と、絵真が叫ぶ。すると、花音はしてやったと言わんばかりの表情で、

「いやあ、姿を消したら敵に気づかれないかなーと思って、いろいろ研究した結果、できるようになったので、やってみた。聖香には気づかれたけど」
「そ、そうですか……」

と、愛依が言う。
すると、教室のドアが開いた。＿＿理科の先生だ。

「はーい、そろそろ座席につきなさい」

……ついに、このときが来てしまった……。
その後の授業は、訳のわからない問題ばかり指名され、ボロクソになったのであった。