【オリジナル】ありふれてない日常 (ページ14)

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曇天―２― ページ14

私たちが作戦会議に入って、五分が経った。その過程で、一つわかったことがある。

「玲さん、標的の資料を何一つ貰っていません！」
「もっと早く言いなさいよ！」

怒られた。まあ、そりゃそうだろうね。
そして、玲さんから資料を受け取る。

「ええっと、敵組織の名前は、『グリーフ』。深い悲しみって意味だね。なにがあったんだろうね」

そう言うと、突然、結城が手を挙げた。

「奥さんに夜逃げされた！」

＿＿んん？すごく可哀想な理由だね。

「そんなことでへこむんなら、マフィアやっていけないんじゃ……」

そう言うと、確かに、と言って手を下ろした。

「はいはい、ふざけてないで進めて」

と、絵真に言われる。

「はーい。で、この人たちの拠点は、◯◯区にある豪邸。人数はおよそ五十人。これ以上の可能性もあるから、油断は禁物。＿＿このくらいだね。さて、作戦会議じゃー！」
「おおー！」
「まずは＿＿」

作戦内容はこうだ。
地図によると、ちょうど屋上から、その豪邸が見えるビルがある。そこから結城が先制攻撃をしかける。外した場合は、他のビルの目星がついているので、そこで再度攻撃をしかける。当たったら、小型の通信機を皆常備しているので、それで知らせてもらう。
そしたら、私、絵真、真琴の三人で、出来る限り姿を消して、そのマフィアのボスがいる場所まで行く。そこまでの案内は、美園にやってもらう。
私達が無事そこにたどり着けたら、それを皮切りに、彩矢、希、愛依、樹が乗り込んで、後ろの警備たちを蹴散らす。
そして、花音は、私たちが拠点から出た後、そこを燃やしてもらう。

「こんなものかな。なにかある？」
「はい！」

希が手を挙げた。

「残党とかがいたら、どうするの？」
「なるべく君たちに頼みたいけど……。その場合は、残さずに、ね」
「りょーかい」
「他には？」

誰もいない。

「よし。決行は今日の夜十一時。三十分前までには、校門に集合。それまでに準備を整えておくこと！解散！」
「はーい」

さて、頑張りますか。