とある生徒と歌姫先生のお話

【ホワイトデー】お返し ページ15

放課後、寮に帰ろうと高専内の廊下を歩いていると後ろから名前を呼ばれる。


振り返ると任務に行ってたはずの歌姫先生がいて、来い来いと手招きをされる。




『歌姫せんせ！おかえりなさい』



｢ただいま。今から帰るとこ？｣



『はい！先生は任務の報告ですか？』



｢それもあるんだけど、今の時間なら十六夜もまだ高専内に居るんじゃないかと思ってね。

だからちょうど良かったわ。｣




なんて言葉を言われて思わず首を傾げる。


私になにか用でもあったのかな？思い当たる節はないけど……


そう考えていると小さな紙袋を差し出される。




｢これ、バレンタインのお礼


本当はホワイトデーに渡したかったんだけど…。渡すの遅くなってごめんなさい。｣



『わ、ありがとうございます！


遅いなんて全然。だってせんせ、ここ数日任務だったじゃないですか。』



歌姫先生は14日の朝からさっきまで数日かけて任務が入ってて。

高専に来ていなかったから渡す時なんて全くなかっただろうし、そもそもお返しが欲しくて渡した訳じゃないから全然気にしていない。

貰えるのはすごく嬉しいけど。




『中見てもいいですか？』



｢もちろん。｣




中を開くとラッピングされた袋と小さな缶が見えた。

缶の方を初めに取り出す




『わぁ！これって…！！』




私の好きなクマのマスコットキャラクターのデザインされていた。すごく可愛い！




｢十六夜、そのキャラクター好きだし、中身食べたあとでも小物入れとして使えるかなって思って｣




『すごく良いです！可愛い……！ありがとうございます！』

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