1.傷の手当 ページ2
「あら、十六夜帰ってきてたのね。」
任務を終えて寮に帰ると、ちょうど通りかかった歌姫せんせにそう声をかけられる。
帰って1番初めに歌姫せんせに会えるなんて幸せでは?
『あ、歌姫せんせ。ただいまです。』
「おかえり。
で、それどうしたの?」
せんせは、左手で後ろに隠したはずの袋を指さす。
声をかけられた時にさっと隠したのに見られてたのか
『いやー、任務でちょっと怪我してしまいまして…』
ガサッと袋の音をたてながら腕を前に出しそう言うとせんせの視線はそちらに向く。
そこには任務中にヘマして出来てしまった、肩から肘までの長さの切り傷。
「ちょっと、まぁまぁ深い傷じゃない…!
今、ちょうど硝子京都に来てるし治療に──」
『え、嫌ですよ、!』
あ、つい被せるように言ってしまった。
治療を拒んだと思ったのかせんせは顔をしかめる。
『あ、いや、流石に手当はしますよ。じゃなかったら包帯なんて買って帰ってきませんよ。
ただ、硝子せんせのところには行きたくないというか……』
「どうして?」
『だって、硝子せんせも忙しいじゃないですか。
これくらい大したことないのに、忙しい中 術式使ってもらうのはちょっと…気が引けるというか……
せんせの仕事を増やしたくないですし』
しどろもどろになりながらも伝えると今度はものすごく驚いた顔をされた。
そんなに驚くことかな?
「いや、そう言った子初めてだったから。みんなすぐ硝子のとこ行こうとするのよ」
『あー、それだから硝子先生いつも忙しくて隈ができてしまってるんですよね。
みんな、せんせと反転術式に頼りすぎなんですよ」』
前にほんのちょっとしたキズで硝子せんせの治療受けてる人がいたのを思い出す。
_ちょっとは自分で手当することくらいすればいいのに。
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田中たけし(プロフ) - 面白かったです続き待ってます (1月5日 0時) (レス) @page28 id: 9d82b80c5a (このIDを非表示/違反報告)
天霧(プロフ) - とても面白くて好きです。最高です!次の更新待ってます。 (2022年5月28日 17時) (レス) @page21 id: 29b58b93c0 (このIDを非表示/違反報告)
*糸兎*(プロフ) - 和春さん» コメント&嬉しい言葉ありがとうございます!!✨そう言って貰えてすごく嬉しいです!これからも頑張ります🥰 (2022年3月18日 0時) (レス) id: edf6a6bbda (このIDを非表示/違反報告)
和春(プロフ) - コメント失礼します。Twitterの方でたまたまお見かけして、「歌姫先生の小説なんて珍しいな〜」って好奇心で読んだのですが……めちゃくちゃホッコリしました🥰陰ながら応援してます💪 (2022年3月17日 16時) (レス) @page11 id: 8b22aedf3c (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:*糸兎* | 作者ホームページ:https://mobile.twitter.com/sena_livre
作成日時:2022年1月10日 12時