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泣くほど嬉しい……というわけではなさそうだ。




しかし子供らしく感情に任せて泣くAの涙腺がまだ生きていることに安堵してしまう。だがしゃくりあげながら彼女は、「ごめんなさい」と謝った。




『どうして謝るんだ?』




俺の服を弱い力で握りしめ、涙声で「わたしは」と何度も言う。

ゆっくり呼吸をさせるために抱き寄せて背中をさすれば、鼻をすすりながら息を整え始めた。




『わたしは、誕生日プレゼントをもらっちゃいけないんです』




誕生日プレゼントをもらうことに良いも悪いもあるのかと思ったが、Aはナニカが不安なのだ。その塊を吐き出させるように背中を撫で続けていく。


「どうして」と聞き返すと、「だって」と今にも消え入りそうな声で呟いた。




『わたしが産まれても』
『誰もありがとうなんて、思わないから……』




俺は思わず呼吸をすることを忘れてしまう。そんなこと、自分は考えたことなかったからだ。



自分が産まれてきたことに他人からの感謝を求めたことはない。俺にとってそれは要らないからである。

でもAは、その感情が欲しいと言った。




『わたし、産まれてきて良かったんですか?』




この歳で自分の産まれてきた意味と価値を失い、生きていく理由を探しているA。


そんな彼女に俺が出来る事は一体何なのだろうか。

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設定タグ:銀魂 , 高杉晋助 , 吉田松陽   
作品ジャンル:アニメ
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えりんぎ※息を吸う(プロフ) - 昔の自分と比べてしまいました。あなたの作品がとても好きです。この作品に出会えたこと、心から感謝しています。涙を拭きながら、読み進めようと思います。 (2019年1月27日 16時) (レス) id: 5e55bdde31 (このIDを非表示/違反報告)
名無し - こんにちは、コメント読んでいただけているかどうか…でも、もしよんでくださるなら。わたしは、ハルさんの作品に心底惚れています。自分の書きたいものをえがくことって素晴らしいと思うんですよね!だから、周りの意見に惑わされず「ハルさんの作品」を待ってます (2018年5月2日 0時) (レス) id: a53110be97 (このIDを非表示/違反報告)
kaya(プロフ) - 今更...な感じがしますけど、コメント失礼します。私、この作品読みながらずっと泣いちゃってました。素晴らしい作品だと思います。何回読んでも飽きないですね!感動しました。 (2018年4月2日 22時) (レス) id: 504932b45f (このIDを非表示/違反報告)
ハル@六月に一時帰還予定(プロフ) - みなさんコメントありがとうございます〜( ; ; ) お一人お一人にご返信をしたいのですが、下の方のコメントが消えてしまいそうなので割愛させていただきます( ; ; )無念……。沢山の励ましのコメントを胸にこれからも頑張って行きますので、応援お願いします!! (2018年2月1日 17時) (レス) id: 9ebc1e1d82 (このIDを非表示/違反報告)
クローバー - 心に響きました。恋愛要素など無くとも、人を感動させられる小説は素晴らしいと思います。これからも頑張ってください。応援しています! (2018年1月12日 20時) (レス) id: acfcc66616 (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:ハル | 作者ホームページ:http://uranai.nosv.org/u.php/hp/harumemory  
作成日時:2017年10月6日 18時

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