交差点 ページ16
7Fのチケット売り場。
�霤弔�んが二人分のチケットを買うてくれて、乗り場に向かったら結構な人数が並んでた。
「カップルばっかやな…笑」
なんか気恥ずかしくて、私も�霤弔�ん以外の方向を見る。
ふと、上空にキラッと光るものが見えた。
「あ！流れ星？見えました？」
「えっどこどこ？…あれ？あれはヘリやろ。」
「そうですか？」
「ほら、見てみ？ピカピカ点滅してる。こんな明るいとこで星は見えんのちゃう？Aも意外とアホやなー。笑」
言われてみれば確かにヘリで。
けど、そんな言わんくてもええのに。
鼻の奥がツンとして、自分のスニーカーのつま先見てたら、頭に手が置かれた。
「ごめん。………寒ない？これ着とき。」
�霤弔�んは羽織ってた薄いアウターを私の肩に掛けて、上からパフパフっと挟むように両肩をさすってくれた。
「ありがとうございます。」
絶対寒いはずやのに、平気そうな顔してポケットに手突っ込んでそっぽ向いとる�霤弔�んを見て、この人も人間なんや、って当たり前のことを思った。
「知っとる？この観覧車、昼間やったら、神戸まで見えるときもあんねんて。ほら、エイトの、あの歌の。」
頭の中に、雅なメロディーが流れ出した。
「神戸まで、見えたあの日が…、ですね。知りませんでした。」
「あの曲好きやねん、ええ歌よな。」
�霤弔�んが出てる、あのお年玉で買ったDVDで何度も見たコンサートの景色が、瞼の裏に映った。
そのまんま、順番が来て、カメラマンさんに記念写真を撮られて、乗車位置へと向かう。
「あっ、�霤弔�ん…」
「何しとんねん。笑 ほら、こっち来て。」
乗り込むとき、進んでいく観覧車とちょっとタイミングが合わなくて、転けそうになる。
そのまま�霤弔�んが私の手を引き上げてくれて、隣の席に座った。
「わぁ…こんな景色なんや…。」
駅を発着する、おもちゃみたいなたくさんの電車と線路。
オレンジの光をくっつけて、すいすいと流れる車の列。
無数に灯るビルの窓の白い光。
交差点を歩く人の群れ。
知ってる景色が、知らない角度から見えるのは面白くて不思議で、ガラス越しにじーっと見てたら視線を感じた。
「�霤弔�ん？」
気づくと、�霤弔�んの腕の中に吸い込まれていた。
額にそっと触れたやらかい感触。
止まった時間を閉じ込めたまま、私たちのゴンドラは時計回りにゆっくりと上昇していった。
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ゆちか(プロフ) - asa258さん» コメントありがとうございます。嬉しくて嬉しくて、昨日はこのコメントをぎゅっと抱きしめて眠りました。いつまででも待つなんて、ありがたいお言葉をありがとうございます。こちらこそ今後も読んでいただけたら幸いです。 (4月7日 7時) (
レス) @page18 id: 8bce07181e (このIDを非表示/違反報告)
asa258(プロフ) - 更新ありがとうございます。ずっと読ませていただいております。心理描写が丁寧で何度も読み返すほど大好きな作品です。いつまででも待ちますので、これからも読ませていただけると幸いです。 (4月6日 19時) (レス) @page17 id: 576d67210c (このIDを非表示/違反報告)
ゆちか(プロフ) - matsuriさん» コメントありがとうございます。大変お待たせしてしまいましたが、matsuriさんの温かいお言葉に励まされ、なんとか続きを書くことができました。稚拙な作品ですが、今後もお付き合いいただけましたら幸いです。 (4月6日 8時) (レス) id: 8bce07181e (このIDを非表示/違反報告)
matsuri(プロフ) - 結構最初の方から読ませていただいています。すごく楽しく読んでいます。無理しない範囲で更新楽しみにしています。 (3月26日 19時) (レス) id: 3f610d2b69 (このIDを非表示/違反報告)
ゆちか(プロフ) - るびぃさん» コメントありがとうございます。私も逆引き寄せの法則シリーズを愛読しておりますので驚きました！あの頃を違和感なく書けているか不安でしたが、懐かしく感じていただきとても嬉しいです。今後ともよろしくお願いいたします。 (2月2日 17時) (レス) id: 8bce07181e (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：ゆちか | 作成日時：2024年1月27日 6時
