検索窓
今日:4 hit、昨日:1 hit、合計:314 hit

争う国と平和な国―3― ページ4

なぜ二人がここにいるのだろうか。部活で忙しいはずだが……。

「栞里、部活は?大会まであと少しでしょ?」
「体育館の整備があるから今日はもう終わりなんだよ」

私たちの学校は、生徒の安全とかそういった面に几帳面で、校舎や体育館の整備がよく行われている。

「そういえば、今日が整備の日だったね。じゃあ実結は?」

ライフル射撃部は、校庭の横にあるスペースに、的を立てて練習している。一応外部活なので、体育館の整備は関係ないはずだ。

「それがさ、顧問の先生が会議でいなくて……。ウチは、結構危ない物を取り扱っているから、顧問の先生がいないと部活できないんだよ……」

実結はそう言って、しょんぼりと肩を落とした。

「で、合唱部の夢香さんは?もしやサボり?」

そう言って、栞里は私を見た。もちろんサボりではない。

「失礼な!この前発表会があったから、朝練だけで午後はオフなの!」
「なんかごめん」
「わかればよろしい」

すると、奈瑠が何かを思い付いたらしく、あっと声を出した。

「ねえ、久々に四人揃ったし……ゲーセン行く?」

私は良い案だと思ったのだが、他二人が用事があるということで、解散となった。


「へえ、奈瑠がそんなことを……。まあ、私もゲームみたいな戦いをしたいぞ!」

栞里が目を輝かせて言った。……おまえもか!
私と栞里は、家の方向が同じである。

「でも、ある日突然己の力が覚醒したり、戦場にトリップ的なことをしたりとかが無いから戦えないけどね。でもなあ……一発くらいはやってみたいよね。こう、グサッ!と」
「そんな物騒なことを言わないでくれよ。凄いわかるけど」
「わかるんかーい。でも、夢香はゲームの中でモンスターをザクザク切り刻んでるんでしょ?楽しそう」
「いや、うん。でも、モンスターの血が、紫色なのは、ちょっと……」

ゲームを始めたばかりのトラウマを思い出したので、話すのをやめた。……何があったのかは言わないでおく。

「でも、私たちが戦う日はきっとこないね」

栞里が目を閉じて言った。

「だと良いね」

今のは、心の底からの言葉だ。ちょっと良い感じの雰囲気になったのを見計らって、栞里は大声で言った。

「流石に、人の血を見たら吐きそうだし!」
「おいテメェ、もう少しぐらい余韻に浸らせろよ」

私が拳を構えると、栞里は自分は悪くないと言うように、

「戦争なんて私たちがやるはずないしー」

と言った。
__あの、フラグですか?

争う国と平和な国―4―→←争う国と平和な国―2―



目次へ作品を作る感想を書く
他の作品を探す

おもしろ度を投票
( ← 頑張って!面白い!→ )

点数: 10.0/10 (1 票)

この小説をお気に入り追加 (しおり) 登録すれば後で更新された順に見れます
オリジナル作品
違反報告 - ルール違反の作品はココから報告

感想を書こう!(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)

ニックネーム: 感想:  ログイン

作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ

作者名:もろこし24% | 作成日時:2018年1月22日 20時

パスワード: (注) 他の人が作った物への荒らし行為は犯罪です。
発覚した場合、即刻通報します。