争う国と平和な国 ページ2
二十二世紀始め。世界は「ある計画」を発表した。
「人類半減計画」
人口の増加による資源の枯渇を防ぐために、現在の世界人口約八十億人を半分まで減らすという計画である。
計画の発表から一週間後、世界は争いに満ちた。……そう、半分に減らす方法は、戦争だった。それを起こし、様々な国同士を争わせて人類を減らす。なんと酷い方法だろうか。しかし、これしか方法は無かったのだ。
ただ、この計画には条件があった。
・現時点で法律等で戦争を禁止している国は参加しないこと。また他国はその国を攻撃しないこと。
・自国が攻撃している国以外を巻き込む攻撃は禁止する。
この条件のお陰で難を逃れた国があった。……日本である。憲法で戦争を禁止されているので、この国は救われた。
さて、戦争の方法だが、二つ目の条件を破ってしまう恐れがあるので、核を使用している国はいない。それに、昭和の戦争とは全く違う攻撃方法があった。魔法である。魔力を持った人間が、地水火風を基に、様々な術を駆使して戦っているのだ。あとは、重力遣いがいたり。まあ、何かのゲームのような戦争が繰り広げられている。まあ、この話は追々やっていこう。
さて、まずは平和な日本にいる少女たちの話をしようと思う。
日本__
私の名前は亜咲川夢香。日本に住んでいるごく普通の女の子だ。戦争なんてしていない。他の国は戦争三昧だと聞くが、それは嘘なのではないかと思うくらい、この国は平和だ。だが、参加しなくて良いのだろうかと思うときもある。周りの国では、今頃大勢の人が、誰かを殺したり、死んだりしているのだろう。それなのに私たちは、そんなことは他国の事情だとして、普通に過ごしている。
__このままで良いのだろうか。
「……いや、平和でいられることを喜んだ方が良いのか」
そうだ。戦争なんてしない方がいい。関わらないままでいいんだ。少しでも、犠牲が出ないように。
「おーい!」
向こうから聞き覚えのある声が聞こえた。高校のクラスメイトで、小学生からの付き合いの藤宮奈瑠が、向こうの歩道から手を降っていた。こちらも手を振り返す。信号が青になると、彼女は走って私の所まで来た。
「一緒に帰ろー」
「オッケー」
ちなみに、奈瑠とはヲタク友達で、よくいろいろと語り合っている。
「昨日のアニメ見た!?」
「見た!作画が神すぎて死にそう!」
普通に過ごせている。それで良いんだ。
その時の私は、フラグが立っていることを知らなかった……。
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作者名:もろこし24% | 作成日時:2018年1月22日 20時