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エンドロールは控え目に【you】 ページ40

you side


総統室に死体が11人

こんなに死んでいるのに外は晴れわたっていた


「ねえグルッペン、これで良かったの?」


何も答えない


「これが貴方の望み?」


冷たい目で死体を見下ろす


「…酷い人ね」

「お前は前にイカれていると言ったな」


言ったわね、と言いながら総統室を廻る


「この素晴らしい約束という名の望みをイカれたなんてヘドが出る、訂正してもらおうか」

「じゃあ訂正するわ、崇高なる望み、とでも言えばいいのかしら?」


やや煽り気味に

彼は笑って言った


「…お前は良かったのか?」

「何が?」

「お前の彼氏、死んだんだぞ」


私は思い出したように言う


「ああ、彼?貴方の戦友様は愚かな人よ、いいのよこれで」


彼は一瞬怒りを灯した目付きに変わった


「トン氏は本気でお前に惚れていた」

「あら奇遇ね、私も彼に惚れていたの」

「…それを侮辱するとは、お前は殺す」

「あらやだ、私は侮辱したんじゃないの、本当の事を言ったまでだわ」


彼が私に銃を向ける


「物騒ね、閉まってくれない?」

「お前は許さん、絶対にだ」

「殺せば?私は死んでも構わないけど…困るのは貴方よ?」


彼は不思議そうに私を見る


「貴方のお仲間さん達が死んでいるここで、裏切り者の私を殺してもいいのかしら」

「…チッ」


彼は悔しそうに顔を歪ませる

そして私の胸ぐらを掴んだ


「ひとらんらんが聞いてたらお前確実にここで死んでたな」

「ふふ、死んでて良かった」

「俺が居ない間に『アレ』を使ったんだ、どうせ殺す」

「やぁだ怖い」


私はクスクスと笑う


「来い」

「どこに連れていく気?」


廊下に出ると激しい痛みが私を襲った


「何これ…!?」

「ゾムに貰った護身用ナイフだ、毎日手入れしてたしな、切れ味は抜群だろ?」


彼は嬉しそうに笑う


「チェックメイトだ」

「待ッ___!!?」


壁に空いた穴から突き落とされる

ここは6階、しかも頭から落ちてる?

確実に死んだ

死ぬ間際、そこから一瞬見えたグルッペンは、笑っていた









「さて、最後は俺だな」


いつも座っている黒い椅子に腰かける

ああ…我々もこれで終わり

さようなら、友よ

また会えたらその時は


「きっと、やり直せる…」


総統室に死体が12人

最期に我々は笑って、死んだ

終わり←死ぬのが怖い【kn&zm】



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小さい珊瑚についてる桃(プロフ) - チワワさん、ポメラニアンさんもいいですが、やはり一番好きなのはオスマンさん!! (2017年2月6日 0時) (レス) id: 78b6c86721 (このIDを非表示/違反報告)
睡眠酸素 - 小さい珊瑚についてる桃さん» 分かります〜!! (2017年2月5日 20時) (レス) id: 3d3a9ea8a1 (このIDを非表示/違反報告)
小さい珊瑚についてる桃(プロフ) - 私はオスマン帝国が好きですw (2017年1月22日 21時) (レス) id: 2c6c49cfed (このIDを非表示/違反報告)
睡眠酸素 - 葵篠原さん» 二人、という表現は閲覧した友人にも好評でした、良いですよね、二人。やはり皆様戦友〜好きですね…いやはや嬉しい限りでございます、ありがとうございました! (2016年10月14日 22時) (レス) id: 9114276903 (このIDを非表示/違反報告)
睡眠酸素 - 氷藤飛さん» そんなに誉めていたいて嬉しいです、ありがとうございます!あのシリーズは自分で書いていても楽しかったので…wよろしければ今度出す続編も閲覧して下さいね (2016年10月14日 22時) (レス) id: 9114276903 (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:睡眠酸素 | 作者ホームページ:ホームページの追加は禁じます。  
作成日時:2016年7月11日 19時

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