君の人生の主役は我々だ！【wrwrd!】

死ぬのが怖い【kn&zm】 ページ39

zm side


総統室は『アレ』の臭いで満たされている箱のようだった

コネシマが皆の死体を呆然と眺めていた


「コネシマ、そこ邪魔、ドア閉まんないから」

「あっ、すまん」


コネシマが少し奥に進む

俺はドアを閉めて、ドアを見詰めていた

こいつらの死体を見るのが怖い


「ゾム、なあ」

「何や」

「いつまでそうやってるつもりや」

「…」

「なあ」


声が出ない

喉が焼ける程痛い気がする

頭からマグマを垂れ流されている様に

熱くて熱くて、死にそうだ


「ゾム！」

「っ…」


コネシマが怒鳴る

肩をがっしり捕まれている

コネシマの体温が燃えるように熱い

少し、震えていた


「死なんとあかんやろ、約束は守らないと死んでも殺されるで」

「…っ、せやな」


死ぬのは怖い

皆怖い筈なのに

何で笑ってる？

何で、何で


「ゾム？」

「…今、声聞こえんかった？」

「？…聞こえへんよ？」

「…？」


おかしい、俺の身に何かが起こっている


『早く死んで』

『死ぬのは怖いでしょ？』

『僕達も怖かった』

『君に、殺されるのが、怖かった』

『今も、君が怖い』


今まで俺が殺してきた奴等が

俺を、俺が怖い

俺は俺が怖い

死は怖い


「ゾム、もう時間が無い」

「あ…ああ、うん…」

「…怖くないで」

「は？」

「どうせ俺も死ぬし、この後来る奴等も死ぬし

そしたらまた皆と会えるかもやん？」

「…それでも、死ぬのは怖い」

「一番人を殺してきたから分かるんやな…死の恐怖」


『ゾム、早く死んでこっち来いよ、また遊ぼうぜ』


コネシマの言葉の言葉を聞く前に、俺はコネシマを殺していた

そして、そのナイフで自分の喉を、貫いた

総統室に死体が8名

俺は今、自分が怖い

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