君の人生の主役は我々だ！【wrwrd!】

何も思わない？【ut】 ページ36

utu side


俺は何も思わなかった

グルちゃん死んじゃったんかぁ…位も何も

何も、頭に出てこなかった


「大ちゃん？大ちゃん？」

「…何？」


自分の口から出たのは予想よりも低い声だった

なのに魂が宿っていないというか

無気力とも言い難い

か細い声だった


「…大丈夫？」

「あ…うん、大丈夫…」


いや、全然大丈夫じゃない

なのに強がってしまった

何してんだ、俺


「ちょっと、大ちゃん」

「何や」

「どこに行く気？」


どこ、どこやろなぁ

足が勝手に動いてるから俺は分からんなぁ

とか、適当な事言ってフラフラ自宅へ向かう

『アレ』って、俺らの切り札だったよな

何で俺らに相談無く使ったんだ？

トンちにも誰にも


「行くの怖いなぁ…」


でも、約束やもんな

煙草に火をつける

紫煙がゆらゆら揺れている


『また煙草吸っとるんか…ちょっと控えろよ』


グルちゃん、俺最期まで煙草止められなかったね

禁煙は一日も、一時間も続かなかった

グルちゃんにめちゃくちゃ怒られたっけ

…また、会いたいな…


「大ちゃん」

「まだ居ったんか君、はよ皆に伝えに行きや」

「…マンちゃんと外道丸は死んだわよ」


後追い


「ほんなら俺もさっさと行かなな…煙草あと二本吸わせて」

「それは私じゃなくてこっちに言うべきよ…じゃあね大ちゃん」


待って、と言いかけたがそこにはもう誰も居なかった


「こっちて、誰やねん…」


そう呟くとガチャ、とドアが開いた

そこには


「シャオさん…？」

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