君の人生の主役は我々だ！【wrwrd!】

戦友との約束【tn】 ページ30

tntn side


それは奇妙で、不可解な俺達の約束だった


この世界は歪んでいた

何があるって訳でも無いが、何もないって程でもない

至って平凡なこの世界

まぁ、ここより遠くでは戦争がまだ続いてるけど

こんな所に住んでいると平和ボケしてしまう


「久しぶり、トンち」


…平和ボケし過ぎて一瞬誰かと思った

遠くでグルッペンと一緒に戦争をしている筈の俺の彼女が急に戻ってきた

しかも変に青く濁った目をしていた

おかしい、前は透き通るほど美しい青だったのに


「いつ戻ってきたん？」

「たった今、戦争が終わったの」


…聞き間違い？


「？聞き間違いとかじゃないわよ、本当に終わったの

グルッペンが終わらせたのよ、無理矢理」


…それはどういう意味だろうか

グルッペンが？無理矢理？

あいつは負けそうになっても戦争を止める事は無い

まず無理矢理って、どうやってだよ…

戦争好きのグルッペンが十何年も楽しみにしてきた好敵との大戦争


「グルッペンは負けたのか？勝ったのか？…まぁ、あいつの事だから」

「終わった」

「は？」

「もう何も残ってないわよ、勝ち負けとか無く、グルッペンも相手も国も全部」


まさか、


「『アレ』を？」

「…私は反対したのよ」

「何で使った！？そこまで追い詰められていたなら俺を呼べば良かったのに！」

「私に言わないでよ、追い詰められていたんじゃなくて、グルッペンが飽きたのよ」


飽き、た

飽きた？

そんな筈ない

だってあのグルッペンだぞ？

何で？なんで？ナンデ？


「グルッペン…」

「彼は、貴方に伝言を一言」


目が熱い、異様に体温が上がっている気がする

頭が痛い、脳裏にあいつの声がループしている

グルッペン、何で俺を置いて逝った

なあ、俺達は戦友なんだろ？

なあ…何でだよ…


『俺達、戦友って事で、宜しくな』


何で！！！！



「『約束は守れ、以上』だそうです」


約束…

約束？

戦友の望み【tn】→←「もしも僕が」『アストロノーツ』より【tn】

→ 目次へ｜作品を作る｜感想を書く
他の作品を探す