君の人生の主役は我々だ！【wrwrd!】

浅い、眠り【tn】 ページ22

you side


『寝てみます』


その言葉は私にとってピッタリの言葉だった

寝れないのだ

電気を消して布団に入って目を瞑って

浅くて暗くて何もない私だけの世界

私はそこで自由に動ける

でも何もないし暗いし

心細くて、怖い

恐怖と共にどこからか声がする

「こっちだよ」と

聞き慣れた声

でも誰の声か分からない


「ーーーーー！」


声を出してみた

が、空気の音しかしない

走ってみた

疲れた

嗚呼、今日もまた私は寝てみる

寝れないのだ

寝ていないんだ

あの世界は私の妄想

きっと


「A、A」

「っ…！っ！」


ひゅうひゅうと音がする

声が出ない

苦しい

助けて、助けて！


「トントンっ…！」


声が出ると共に暗闇は白い世界に変わる

真っ白、何もない

私だけ

また、私だけ


「やっと、」


振り返る


「名前、呼んでくれたなぁ」

「トントン…？」


片想いの彼

何故？


「ずっと、待ってた」


ああ、ああ

あの声の主は貴方だったんだ

ああ、ああ

良かった、呼んで、良かった


「A、もうお別れ」

「もう？」

「うん、現実でまた、会えるから」

「そっか、そうだね」

「また」

「うん、またね」


目が覚めると涙が流れていた

…早く彼に会わないと

彼に、想いを伝えないと




この話は私の友人の実録を元にして作りました

友人はツイッターで「寝てみます」と呟く

彼女は寝れなかった、いつもいつも

暗闇をさ迷う妄想をしていると言った

今も

この夢主の様にはいかず

ずっと、今も、さ迷っている

という

この元を使用許可してくださった豆腐さん

ありがとうございました

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