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page241 退屈からの脱却 ページ7

ヒロからコンサートの話をされてから、数日経った頃。相も変わらず、私は朝から練習場に居た。
いくら滑っても、心が踊らないというのが今の本音だ。誰に見せる訳でもない、目標もない、孤独なこの時間は苦痛というより他なかった。
私は滑るのをやめて、最近聴いているお気に入りの洋楽を端末から流す。
1番は男性パート、2番から女性が加わり、後半にかけて壮大になる曲調に合わせてハモリパートとなるこの曲。
男女の歌手の声質がピッタリと重なり耳が心地よい。

「あ、その曲好きなの?俺も好きなんだよね。」

暫く耳を癒しつつ息抜きをしていると、練習着姿のヒロがこちらに話しかけてきた。おはようと挨拶をした後、肩にかけたタオルを近くの椅子に置きつつ、彼は会話を続ける。

「ヒロさんも聴いてるんですか?」

「うん、なんなら歌詞も覚えたよ。」

その言葉を聞いて、今まで憂鬱だった気分が急上昇していく。この退屈を引っくり返す、名案を思いついたからだ。

「あの!それだったら、一緒にこの曲で踊りませんか!?」

「え?」

急な提案に彼は唖然と立ち尽くす。

「あ、すみません……ヒロさん忙しいですもんね。」

「いや…楽しそうだね。やろうか。」

「いいんですか!?」

もちろん、と笑顔で応える彼に、私はお礼を伝える。何回も聴いている曲なので、私も歌詞は頭に入っていた。お互い覚えているなら歌いながらやろうと、彼は私よりもノリノリで提案してきた。

「それじゃあ……」

「え、待って、もう踊るの?」

音楽をかけようとした私に彼は疑問の言葉をかけた。

「え……?」

「せっかくやるなら、振り付けも一緒に考えようよ。」

「えぇ!?」

驚いた。こちらからしたら、忙しいトップスタァに無理言って頼んでいるのだから、ほんの少しだけ時間を共に出来れば嬉しいというだけなのに、それなのに彼は、私よりもやる気に満ちた表情でそう言うのだ。

「今だけテキトーに合わせて踊っていただけるだけでも…」

「そっちから誘ってきたのに何言ってるの。
その方が絶対楽しいって。ね?」

「う…はい。」

この人には中途半端は通用しないのだろう。
それから私達は、ダンスの練習場へ移動し1から振り付けを考えた。1番、2番はそれぞれのオリジナル。ハモリパートからの振りを共に考えた。何度も曲を聴き、細かいリズムの音取り、和訳した歌詞の意味まで踏まえて構成していく。
私達は時間を忘れるほど熱中していた。

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kiko(プロフ) - ななしさん» 初めまして!読んでいただきありがとうございます。ハピなるになっていただけたようで私も嬉しいです^^他の方の作品あまり読んだことなかったので、チェックしてますね! (5月28日 3時) (レス) id: 22e3e6f4b3 (このIDを非表示/違反報告)
ななし - 初めまして、kikoさん、作品とても素敵でキュンキュンです(照)私の友人もプリティーリズムの作品書いてるので良ければ読んで下さい(( (5月23日 4時) (レス) id: 3b8bc56239 (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:kiko | 作成日時:2022年12月13日 12時

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