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page237 不調 ページ3

「2人は、これからどこ行くんだい?」

話を改め、ヒロがそう問う。

「特には決まってないですね。ステージ披露まで時間ありますし…。」

「そしたら、向こうにカヅキ達が居るんだ。合流しない?」

大人数での祭り…。自分の憧れそのものだ。

「大丈夫ですかー?変装とはいえバレそうで怖いっすよぉ。」

「へーきへーき。いざとなったら出場者向けの楽屋もあるしね。避難先はあるさ。」

ヒロの案内で、コウジとカヅキの元へ向かう。
屋台で賑わう道は、行き交う人でいっぱいだ。はぐれないよう、必死に着いていく。
が、その時、目の前を数人の子供達が横断してきた。それぞれ手に綿飴やおもちゃの景品を持ったまま走り去っていく。
子供達が通り過ぎるのを待っている間に、気がつけばヒロとカケルの姿はなくなっていた。
前に進みながら、私は遠くを見つめ彼らの姿を探した。喧騒の中、彼らの声を聞き分けるのは難しく、自分よりも背の高い人達に囲まれると、うまく前が見えなくなる。
不安、困惑、そんな感情が渦巻いた時。
心臓がごろっと、まるでひっくり返ったかのような音を立てた。突然の体の変化に瞳孔が開き、一瞬にして額から冷たい汗が流れる。
自然と前かがみになったが、症状が治まるどころか、何度も同じことが起こる。
血の気が引いていくなか、私はあえて姿勢を正し、歩き続けた。
脈を気にしているからだろうか。体が勝手に耳から入る一切の情報を遮断していた。
その為彼らに声をかけられていたことに気が付かなかったのだ。

「Aちゃん!」

腕を掴まれはっとした。目の前には少々息を切らした状態のカケルとヒロが居た。

「もう…焦ったー!良かった見つけられて。」

2人は顔を見合わせほっとした笑みを浮かべている。

「ご、ごめんなさい。」

「Aちゃんが謝る必要ないよ。置いていっちゃってごめんね。」

目線を合わせて、ヒロがそう言った。
私は不調を悟られないよう、必死に取り繕う。

「次はちゃんと着いていくので…!行きましょう!」

この笑顔はぎこちなくないだろうか。そんなことを考えながら、私達はまた歩き始めた。

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kiko(プロフ) - ななしさん» 初めまして!読んでいただきありがとうございます。ハピなるになっていただけたようで私も嬉しいです^^他の方の作品あまり読んだことなかったので、チェックしてますね! (5月28日 3時) (レス) id: 22e3e6f4b3 (このIDを非表示/違反報告)
ななし - 初めまして、kikoさん、作品とても素敵でキュンキュンです(照)私の友人もプリティーリズムの作品書いてるので良ければ読んで下さい(( (5月23日 4時) (レス) id: 3b8bc56239 (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:kiko | 作成日時:2022年12月13日 12時

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