page183 ひび割れた心 ページ43
ーカヅキsideー
シャワーを浴び終えて自室に戻ると、ヒロとコウジが居座っていた。
2人は口を揃えておかえりと声をかける。
コウジ「リンクの方のシャワー使ったの?」
カヅキ「あぁ。A大浴場行ったっぽいし…って、なんで2人共ここにいるんだ?」
ヒロ「いやぁ、ちょっと話し合いをね。」
3人で小さなテーブルを囲んで座る。話し合いをする時はだいたいこの形だ。テーブルの上に肘をつきながら、ヒロが話し始める。
ヒロ「それで、Aちゃんについてだけど。あそこまでの力を持っているって、やっぱりただ者じゃないと思うんだ。」
確かに、空間そのものを操っているかのようなAをみて、身をもって感じた。
コウジ「そうだね…プリズムワールドの使者とは限らないけど、早急な対応が必要かも…。」
カヅキ「対応っつったって…どーすんだよ?」
3人が3人、うーんと唸り声をあげた。
ヒロ「今のAちゃんは…なんだか精神的に不安定そうだよね。」
カヅキ「じゃあ…それが原因か。」
ヒロ「そうだね。使者だとしても、僕らと同じように心はあるから。」
コウジ「心が壊れてしまえば、さっきより酷い事態になるかも…。」
心……か。
りんねは比較的無表情で、感情が表に出ない子だった。だが、Aは違う。笑ったり、少しむっとしたり、泣いたり…あらゆる感情を出している。本当に、プリズムワールドの使者なのだろうか…そう思ってしまう。
カヅキ「よし、そうと分かれば、俺ちょっと行ってくるわ!」
ヒロ「え?カヅキ?」
カヅキ「またな!」
勢いよく部屋を飛び出した。思い立ったらすぐ行動。仁科カヅキはそういう男である。
コウジ「もう…。僕らも、何か準備しようか。」
ヒロ「…はは、そうだね。」
呆れながらも笑っているのはカヅキを信用しているからだろう。2人はカヅキを止めようとはしなかった。
あいつ…もう部屋にいるかな。
Aの部屋の前までくると、勢いに任せてノックをした。しばらくするとドアが開き、彼女が姿を見せる。
A「はい…。」
何を話すかなんて決まっていない。だが、
カヅキ「ちょっとこい!」
A「えっ!?」
Aの手を掴み、部屋から連れ出した。
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kiko(プロフ) - コノミさん» コノミさん、いつも読んでくださりありがとうございます!本当ですか!とても嬉しいです励みになりますッッどうぞこれからもよろしくお願いしますね♪ (2020年4月9日 18時) (レス) id: 92cacadd3e (このIDを非表示/違反報告)
コノミ(プロフ) - めちゃくちゃずっと読んでてめちゃ胸キュンします!!このシリーズは大好きなので 頑張ってください! (2020年4月9日 0時) (レス) id: c314281d85 (このIDを非表示/違反報告)
kiko(プロフ) - えぃかさん» えぃかさん、読んでいただきありがとうございます!好みッッとても嬉しい褒め言葉です……まだまだ下手な文章ですがこれからも見ていただけると嬉しいです♪ (2020年2月11日 2時) (レス) id: 92cacadd3e (このIDを非表示/違反報告)
えぃか(プロフ) - めっちゃ好みの小説です!!続き楽しみにしてます!更新頑張ってください!! (2020年2月11日 1時) (レス) id: 12b917d369 (このIDを非表示/違反報告)
kiko(プロフ) - いちごみるくさん» いちごみるくさん読んで頂きありがとうございます!そう言ってもらえて光栄です……(><)嬉しいです頑張ります! (2020年1月13日 14時) (レス) id: 92cacadd3e (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:kiko | 作成日時:2019年3月24日 2時