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page172 晴れない気持ち ページ32

ーいとsideー

今日は、何曜日だろう。もう何日も学校に行っていない。スマショの着信履歴やメールはなるとあんからで埋まっていた。
夕陽が差し込む部屋のベッドの上で仰向けになり、目を閉じる。瞼の裏であの日の光景が浮かび上がった。Aと自分のプリズムショーだ。

だいたい、人の曲を歌ってる時点で腹が立つんだよ…。

毛布を左手で握りしめる。その時、あんから電話がかかってきた。本当は出たくなかったが、さすがに無視し続けるわけにもいかないので仕方なく応答する。

いと「……もしもし。」

あん「あ!やっと出た!ちょっといと、大丈夫なの?なるも心配してるよ?」

いと「…あぁ、大丈夫だよ。」

あん「無理しなくていいけどさ、そろそろ学校来たら?」

学校…外に出る気力もないのに行こうとは思えない。

いと「そうだね。気が向いたら行くよ。じゃ、」

あん「あ、ああちょっと待って!」

通話を切ろうとしたところを引き止められる。
面倒に感じ、少し眉間に皺を寄せた。

いと「なんだよ。」

あん「……今度さ、えっと、そのー…公園いかない!?」

いと「公園?」

何を言っているのだろうこの子は。買い物好きなあんの事だから遊ぼうと言われればだいたいショッピングかスイーツだったのに。

あん「うん、色々話したいこともあるし、いとの話も聞くからさ。」

いと「……分かったよ。じゃ、また連絡して。」

そう言って相手の反応も聞かず、通話を切った。部屋全体に大きなため息が響く。
あの2人は何も悪くない。心配してくれている彼女たちにあたってはいけない。そう分かっていても優しくなれない自分にイラついてくる。
もう一度スマショを開き、着信履歴を確認する。そこにコウジの名前はない。

いと「…嘘つき。」

目頭が熱くなり、涙が頬をつたった。このモヤつく気持ちに早くケリをつけたい。相手がかけてこないのなら、

「こっちがかけてやる。」

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kiko(プロフ) - コノミさん» コノミさん、いつも読んでくださりありがとうございます!本当ですか!とても嬉しいです励みになりますッッどうぞこれからもよろしくお願いしますね♪ (2020年4月9日 18時) (レス) id: 92cacadd3e (このIDを非表示/違反報告)
コノミ(プロフ) - めちゃくちゃずっと読んでてめちゃ胸キュンします!!このシリーズは大好きなので 頑張ってください! (2020年4月9日 0時) (レス) id: c314281d85 (このIDを非表示/違反報告)
kiko(プロフ) - えぃかさん» えぃかさん、読んでいただきありがとうございます!好みッッとても嬉しい褒め言葉です……まだまだ下手な文章ですがこれからも見ていただけると嬉しいです♪ (2020年2月11日 2時) (レス) id: 92cacadd3e (このIDを非表示/違反報告)
えぃか(プロフ) - めっちゃ好みの小説です!!続き楽しみにしてます!更新頑張ってください!! (2020年2月11日 1時) (レス) id: 12b917d369 (このIDを非表示/違反報告)
kiko(プロフ) - いちごみるくさん» いちごみるくさん読んで頂きありがとうございます!そう言ってもらえて光栄です……(><)嬉しいです頑張ります! (2020年1月13日 14時) (レス) id: 92cacadd3e (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:kiko | 作成日時:2019年3月24日 2時

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