page161 爆発した怒り ページ21
ーいとsideー
「……は？」
ジャンプの回数は私の方が上。ショーの熱だって負けてなかったはず。なのに、
「なんで誰も挙げないんだっ！」
誰もいとに票を入れなかったのだ。皆黙りとして視線も合わせようとしない。
「そんなにこいつのショーがよかったのか？ジャンプだって……」
「いとちゃん。」
その言葉を遮ったのはなる。いつも笑顔で話しかけてくる彼女の表情は深刻なものに変わっていた。
なる「いとちゃんも分かったでしょ？Aちゃんの煌めき…。」
いと「はぁ！？」
分かってる。確かにすごかった。Aのショーは驚くほど綺麗で、魅力的だった。でも…
なる「も、もちろんいとちゃんのショーも凄かったよ！熱かった！けど、けどね…やっぱりAちゃんのショーは…」
認めたくない。
いと「うるさいな！もう聞きたくない！」
なる「いとちゃ…」
いと「帰る！」
人と人の間をすり抜けて出口へむかう。いや、周りが避けているのか。でもそんなことはどうでもいいとうつむきながら進むと、誰かに右腕を掴まれた。顔をあげると、彼が、自分を見下ろしていた。
「……いとちゃん。」
コウジだ。低い声で、名前を呼ばれる。
いと「なんだよ、放せ！」
今はお前の顔なんて見たくない！
心の中の叫びはコウジには伝わらない。
コウジ「なんでこんなことしたの。らしくないよ。」
その瞬間、今まで溜めておいたものが一気に爆発した。頭に血がのぼるとはこういうことを言うのだ。
いと「なんで？はっ、わかんないのかよ！」
コウジの手を思いっきり振り払い、Aの元へ向かう。目を丸くしたAの頬をその勢いで平手打ちした。バチンと音がしてAはバランスを崩す。
いと「この泥棒猫っ！！」
ヒロ「Aちゃん！」
傍にいたヒロが彼女の体を支える。
いと「あんた最低だよ。」
そう言った時、Aと目が合った。彼女はなんともいえない表情をしていた。強いて言えば、困惑だろうか。
コウジ「いとちゃん！？なにして…。」
話しかけてくるコウジを無視して出口へ向かう。憎き相手を平手打ちしてすっきりするかと思ったが、もやもやは膨らむばかりだ。
コウジ「いとちゃん！」
呼び止められた。止まる気はなかったが、足が勝手に止まった。
コウジ「…ちゃんと、話し合おう。連絡するから！」
ほんとかよ。そう心の中で呟いてまた歩き始めた。それにしても、気のせいだっただろうか。Aと目が合った時、一瞬瞳の色が違った気がしたのは。
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kiko(プロフ) - コノミさん» コノミさん、いつも読んでくださりありがとうございます！本当ですか！とても嬉しいです励みになりますｯｯどうぞこれからもよろしくお願いしますね♪ (2020年4月9日 18時) (
レス) id: 92cacadd3e (このIDを非表示/違反報告)
コノミ(プロフ) - めちゃくちゃずっと読んでてめちゃ胸キュンします！！このシリーズは大好きなので 頑張ってください！ (2020年4月9日 0時) (レス) id: c314281d85 (このIDを非表示/違反報告)
kiko(プロフ) - えぃかさん» えぃかさん、読んでいただきありがとうございます！好みｯｯとても嬉しい褒め言葉です……まだまだ下手な文章ですがこれからも見ていただけると嬉しいです♪ (2020年2月11日 2時) (レス) id: 92cacadd3e (このIDを非表示/違反報告)
えぃか(プロフ) - めっちゃ好みの小説です！！続き楽しみにしてます！更新頑張ってください！！ (2020年2月11日 1時) (レス) id: 12b917d369 (このIDを非表示/違反報告)
kiko(プロフ) - いちごみるくさん» いちごみるくさん読んで頂きありがとうございます！そう言ってもらえて光栄です……(><)嬉しいです頑張ります！ (2020年1月13日 14時) (レス) id: 92cacadd3e (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：kiko | 作成日時：2019年3月24日 2時
