page88 同じ服 ページ40
ーAsideー
コウジ「いくつかあるんだ。えーと…これと、これと…」
そう言いながらコウジは画面をスライドしていった。可愛らしい服、少し派手な服…様々な服がスライドするたびに出てくる。
カヅキ「へー。オシャレな感じだな。」
ヒロ「全部Aちゃんの雰囲気に合うんじゃない?」
コウジ「でしょ?あ、あとこれなんだけど…」
コウジが指を動かしたとたん、黄色がベースのワンピースが画面に現れた。丈は短めで、足がよく見えるようになっている。
………のだが。
ヒロ「あれっ。これってさ…」
カヅキ「りんねが着てたやつか?」
…りんね?
コウジ「あ、そうだね。同じデザインのやつをプリズムストーンが作ったみたい…って、Aちゃん?」
初めて見るはずの服なのに、どこか見覚えがある気がする。どこで…?
カヅキ「ん、どーした?」
コウジさんと行った商店街?道ですれ違った人?もしかしてカフェとか…?
ヒロ「Aちゃん…?」
その時、頭の中であの場面が再生された。虹を見たときと同じ光景が広がる。
キラキラと輝く世界の中に自分と…青い髪の女の子が立っている。何か話しているのだが聞き取れない。だが、その女の子が着ている服が………
A「同じ…」
ヒロ「え?」
A「あの子と、同じ服…」
カヅキ「お、おい。大丈夫か?」
コウジ「もしかして、何か思い出した!?」
ヒロ「Aちゃんっ。おーい、Aちゃん!」
ヒロの声で、はっと意識が戻る。3人が心配そうな顔でAを見つめていた。
A「あ……すみません…」
カヅキ「ホントに急なんだな。記憶戻るのって。」
ヒロ「記憶…戻った?」
A「え。いや、全然…。ただ…その服と同じ服を着ていた女の子がいたような…」
コウジ「え。」
カヅキ「それは…」
ヒロ「………まぁ、いいじゃないか?全部記憶が戻るまで、考えすぎない方がいいよ!」
確かに、今考えても無駄だよね。いつ思い出すのか分からないけど、それまで待とう…
A「そうですね。」
カヅキ「ああ、そうだな。」
コウジ「じゃ、衣装どれにしよっか。」
さっきの事は一旦忘れ、A達は話し合いを続けた。
結果、衣装は薄いピンクに白の水玉があるワンピースに決まった。
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作者名:kiko | 作成日時:2018年7月1日 16時