拾壱ノ漆 置いていかれてしまった ページ7
ついてきた緑谷と一緒に洸汰をソファーに寝かせる
ﾏﾝﾀﾞﾚｲ「落下の恐怖で失神しちゃっただけだねありがとう
イレイザーに
『一人性 欲の権化がいる』
って聞いてたから見張ってもらってたんだけど…
最近の女の子って発育良いからねえ」
緑谷「『とにかく何ともなくて良かった…』」
ﾏﾝﾀﾞﾚｲ「よっぽど慌ててくれたんだね」
緑谷がふと言う
緑谷「洸汰くんは…
ヒーローに否定的なんですね」
ん？
緑谷「僕の周りは昔からヒーローになりたいって人ばかりで…
あ、僕も…で
この歳の子がそんな風なの珍しいな…って思って」
『確かに……』
ポツリと言葉をこぼす
ヒーローになりたいなんて思わないけど確かに私も否定的なわけじゃない
珍しい
ﾏﾝﾀﾞﾚｲ「そうだね
当然世間じゃヒーローを良く思わない人も沢山いるけど…
普通に育ってればこの子もヒーローに憧れてたんじゃないかな」
緑谷「『普通…？』」
お茶を持ったピクシーボブが言う
ﾋﾟｸｼｰ「マンダレイのいとこ…
洸汰の両親ね
ヒーローだったけど殉職しちゃったんだよ」
え……
ﾏﾝﾀﾞﾚｲ「二年前…
敵から市民を守ってね
ヒーローとしてはこれ以上ない程に立派な最期だし名誉ある死だった
でも物心ついたばかりの子どもにはそんなことわからない」
ん……
ﾏﾝﾀﾞﾚｲ「親が世界の全てだもんね
『
これは確かにそうなるね…
ﾏﾝﾀﾞﾚｲ「私らのことも良く思ってないみたい…
けれど他に身寄りもないから従ってる……って感じ
洸汰にとってヒーローは理解できない
気持ち悪い人種なんだよ」
そっか………
無責任だけど色々な考えの人がいる
そう思った
そして私はもう一つ思う
この子も私と同じでおいていかれてしまった子なんだって
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作者名：トンガリ帽子 | 作成日時：2020年7月12日 18時
