今日:4 hit、昨日:22 hit、合計:99,865 hit
小｜中｜大
8 ページ9
#43 side
「せめて、家まで送らせてください。
このままじゃ心配です」
彼女はゆっくりかぶりをふった。
「結構です。1人で大丈夫」
「いや、でも…」
「大丈夫です」
拒絶の前に、どうして良いか分からなくなる。
「じ、じゃあ、後をつけるとか…駄目ですか？
このままじゃ本当に心配で、俺、帰れないです」
後から考えればものすごい問題発言も、この時の俺は大真面目だった。
「いらないって…言ってるじゃないですか」
彼女の声が震えていた。
目許を拭った彼女は小さく、「ごめんなさい」と呟く。
「ごめんなさい…私、もう帰る家が…」
彼女が何か言いかけていたけれど、それと同時に俺は言った。
「俺の家に行きましょう」
「…え？」
「あ、変な意味じゃないですよ。
このままじゃ…あれなんで」
女子高生を家に誘う大人。
怪しい匂いしかしないけれど、俺は真剣だったし、
彼女もまた真面目だった。
彼女の頬に、また一筋涙が流れた。
(俺はそれを、美しいと思った)
この小説をお気に入り追加 (しおり)
登録すれば後で更新された順に見れます 188人がお気に入り
この作品を見ている人にオススメ
違反報告 - ルール違反の作品はココから報告感想を書こう！(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)
かなと - 編集画面の関連キーワード入力の下をよく読みオリジナルフラグをお外し下さい違反です (2019年6月10日 21時) (
レス) id: b946a130ab (このIDを非表示/違反報告)
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名：るる | 作成日時：2019年6月10日 21時
