検索窓
今日:6 hit、昨日:7 hit、合計:99,874 hit

13 ページ14

#43 side


翌朝。登板の2日後なので1日休みだ。



Aちゃんに、仕事行かなくて良いんですかと訊かれたので、今日は休みだと答えた。


変な顔をされた。
平日に休みがある仕事を少し怪しまれたのかも。




あ、でも平日って事は。


「学校、行かなくて良いの?」



まぁこの時間なら、遅刻どころの騒ぎではないけれど。




「学校なら辞めました」




俺をちらりと見て、また目を逸らして窓の景色を眺めている。

言葉は続いた。





生活費、という名の、父のお酒とパチンコのお金を稼ぐ為です。


父はいつの間にか仕事に行かなくなっていました。



私の放課後のアルバイト代だけでは立ち行かなくなって、学校を辞めて働けと言われて。





頷かなかったら、また殴られます。


頷いてもそのうち殴られるので、結果は同じですけど


私に選択の余地はありませんでした。


働いたお金は全て父親の一時的な欲求を満たすためだけに使われましたが、

家に居るよりは働いている方が楽だった。


父から逃げられたから。







話を遮るように、Aちゃんのスマホが鳴った。



すみません…と部屋を出ていく。







一人残されたリビングで俺は息をついた。

思考が追いついていなかった。






父親からの命令で、学校を辞めて働く。
酒とパチンコのお金の為だけに。


そんな世界が存在する事が、信じられなかった。



自嘲気味な口調と冷ややかな表情が気になった。





彼女が背負ってきたものは、









(どれだけの苦しみ?)

14→←12



目次へ作品を作る感想を書く
他の作品を探す

おもしろ度を投票
( ← 頑張って!面白い!→ )

点数: 9.7/10 (86 票)

この小説をお気に入り追加 (しおり) 登録すれば後で更新された順に見れます
188人がお気に入り
違反報告 - ルール違反の作品はココから報告

感想を書こう!(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)

ニックネーム: 感想:  ログイン

かなと - 編集画面の関連キーワード入力の下をよく読みオリジナルフラグをお外し下さい違反です (2019年6月10日 21時) (レス) id: b946a130ab (このIDを非表示/違反報告)

作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ

作者名:るる | 作成日時:2019年6月10日 21時

パスワード: (注) 他の人が作った物への荒らし行為は犯罪です。
発覚した場合、即刻通報します。