starlight night (ページ25)

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「よし、Aちゃんお昼ご飯まだだよね？

選手食堂に行こう、美味しいもんがいっぱいあるんだ」

「え、でも私選手じゃないです」

「大丈夫、職員でも利用出来るし選手と一緒だから」

榊原さんに連れられて選手食堂へ。

彼のオススメという料理を頂く。

「Aちゃんさぁ、由伸の家にいるんだよね？」

榊原さんが私に尋ねる。

「はい、仮住まいのような形ですけど」

なんで、とか聞かれたらどうしようかな、と警戒していたけれど、榊原さんの口から出た言葉は予想外だった。

「由伸のこと、めちゃくちゃ信頼してるんだね」

「…え？」

「で、由伸も、Aちゃんのこと信じてる。

なんか良い信頼関係があるんだなぁ～って思って」

榊原さんは、大きな目をくるりとさせて私を覗き込んだ。

「…そんなこと、」

山本さんが私のことを完全に信じてくれているとは思えなかった。

話していない事が多すぎるから。

そこでふと、私も山本さんの事を全然知らないと気付く。

「信じられるほど、お互いの事を深く知ってないですよ」

ん？と榊原さんは首を傾げる。

「相手のこと知らなくても、人って一方的に相手を信じちゃうもんなんじゃないの？」

「…えっ」

初対面にも関わらず、私はこの人の考え方に引き込まれて行くのが分かった。

ニコニコと笑うこの人は、きっととても素敵な性格の方だ。

(素敵な人の周りには素敵な人が集まるって、本当なんだな)