甘いプリンに触れたとき【大橋和也】 (ページ2)

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プリンが１つページ2

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窓の外には、真っ赤な夕日。

6時間目が終わって、それぞれ下校したり部活したり、自由な放課後の時間。

「あー！なんで私がこんなこと！」

そんな放課後のこの時間。私の机にはクラス全員分のノートの山。

日直はノートを集めて運べ、という先生の命令でこのノートの山を一人で教員室まで運ばなければいけない。

力は人並みにあるが、流石に40人分のノートを運べる気がしない。これは二往復せんとあかんな…。

「…よし、やるか」

大橋「なにしとるん？」

「？」

早く終わらせよう、そう意気込んでノートの山を半分持ち上げたとき、教室の扉の方から声が聞こえた。

その声の主は、今年初めて同じクラスになった大橋和也くん。

クラスの人気者の彼と話したことは一度もなくて、返答に少し困ってしまう。

「えと」

大橋「…ああ、ノート！俺も運ぶん手伝うわ！」

「え」

大橋「一人で運ぶん大変やろ？」

大橋くんはそう言って、私が持っていた分を半分と、机に置いてあった残りの半分を持った。

あー、これが彼が人気のわけやな。

「ごめん、ありがとう」

大橋「ええよええよ！俺がやりたくてやっとるだけやから！」

人懐っこい笑顔を浮かべる彼は、夕日のせいかやけにキラキラして見えた。

それが初めて交わした大橋くんとの会話やった。