- 時透くん日記 - 〖 鬼滅の刃 〗

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今にも雨が降り出しそうな、
灰色の雲が空に広がる。

少年は今日も人に会いに蝶屋敷を訪れた。



胡蝶「 Aさんならいつものところにいますよ 」

時透「 …別に用はないけど 」



そう言いながらも、少年は言われた部屋に
足を進める。

その表情は僅かだが、笑みが浮かんでいた。



時透「 ねえ 」

「 と、時透くん 」

時透「 …なに、どうかしたの 」



普段とは違う、元気の無い様子の少女。

少年は少女の座るベッドに、同じように腰をかける。



時透「 なんでそんな元気ないわけ 」

「 …時透くん、好きだよ 」

時透「 ……なに、いきなり 」



少女は沈んだ声で、夢の内容を話した。

少年は表情を一切変えずに、ただ少女の話を
じっ、と聞いていた。



時透「 …それで元気ないわけ 」

「 だって、時透くんが… 」

時透「 僕はここにいるでしょ 」



少年は隣に座る少女の涙を指で拭う。

その突然の行動に、キョトンとする少女は、
驚きのあまり涙は止まっていた。



「 あ、あの… 」

時透「 君が笑ってないの、なんか嫌だから 」



「 それじゃあ 」と部屋を出ていく少年。

部屋に残った少女は、少年に拭われた場所を
自分の指でなぞり、嬉しそうに微笑んだ。



今日は暗い雲から日差しが照り出した、暖かい日だ。

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