王子様系女子 × ナルシスト男子＝幼馴染 (ページ32)

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＃３０ページ32

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バクバク？どきどき？

自分の心臓の音しか聞こえない。

緊張で恭平の顔が見れなくて、地面を見る。

高橋「 A、こっち見てや」

「っ、な、なに」

おそるおそる、恭平の方を見る。

自分より背の高い恭平は、膝を少し曲げて
自分の目線の高さに合わせとった。

ぱちっ、と目が合って息が止まる。

高橋「やっとこっち向いたわ」

「な、なに？」

ふっ、と笑うと、膝を伸ばす。

恭平は空を仰いでひとつ息を吐くと、
真剣な顔で再びこっちを見る。

高橋「 A 」

「う、ん」

重たい空気。

でも決して息苦しいとか、嫌な感じやなくて。

流石の自分も、恭平が言うことはわかってて、
ぎゅっ、と服の裾を掴む。

高橋「ずっと好きやった、Aのこと。
……俺と、付き合ってください」

どないしよう、目頭が熱くなってきた。

きっと、自分の気づかんほどずっと前から、
こうなることを夢に見てた。

「っ、はぃ…！」

頬に温かい何かが伝う。

嬉しくて涙が出るなんて、こんなん初めてや。

一度出ると止まらなくなって、
一人で泣きじゃくる。

高橋「泣き虫なん、ほんま変わらんな」

「う、うるさい… 」

すっ、と手を伸ばして自分の涙を拭う恭平。

優しい手つきと柔らかい表情。

懐かしくて、また涙が止まらなくなった。