王子様系女子 × ナルシスト男子＝幼馴染 (ページ28)

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＃２６ページ28

Kyohei.T

高橋「俺、Aのこと、好きやねん」

困らせる、なんてことはわかっとった。

やけど、思わず声に出てしもうた気持ち。

俺はAにとって、ただの幼馴染。

目の前におるAは実際に、
信じられないとでも言いそうな顔をしとる。

「ぁ… 」

高橋「昔から、ずっと」

掴んどる腕に、自然と力が入る。

逸らしたら負けや、そう思ってただひたすらに
Aのことをじっと見つめる。

目が合うと、段々と顔を赤くするAが
可愛ええな、そう思った。

「っ、きょ、恭平。あの… 」

高橋「 …あ、あかん。また熱出てきたかも」

「え、ね、寝て！ゆっくりして！」

Aが言いかけたこと。

それはきっと、俺の告白の返事やろな。

まだそれを聞く心の準備が出来とらんくて、
熱が…なんて嘘をつく。

高橋「寝とれば治るから。お前にうつしたら
あれやし、もう帰ってええよ」

「 …わかった、お大事に」

何か言いたげな顔をしていたAを
そんな言い訳をして追い返す。

返事なんて、俺が期待しとるものとは
違うことはもう知ってるのに。

顔を赤くしたAに、まだ可能性がある──
そう思って、期待を胸に目を閉じた。