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ボールをつく音。
バッシュのスキール音。
ボールがネットをくぐる音。
この音を含めて、バスケが好き。
高橋「 何しとんの 」
「 …なんでいるん？部活してないやろ 」
少し扉の開く音がした。
そこには部活をしとらん高橋が
扉にもたれかかってこっちを見ていた。
高橋「 帰らんの 」
「 いや、帰るけど…。待ってたん？ 」
そう聞くと、あほ と呟いてそっぽを向く。
珍しいな、帰りまで待つなんて。
この前のテスト、赤点やったし補習かな。
高橋「 ほんま昔と今じゃ大違いやな 」
「 え、なに急に。そのために待ってたん？ 」
昔と今じゃ大違い、それは高橋もやけどな。
なんて言ったら、怒るだろうか。
高橋とは幼稚園からの幼馴染。ずっと一緒。
高橋「 髪、長かったやん 」
「 あー…邪魔やったから… 」
高橋は短くなった私の髪を触りながら、
名残惜しそうにそう言った。
そういえば長い方が良かったって言われたな。
高橋「 王子様って呼ばれてん、どう思うん 」
「 どう思うって… 」
高橋「 嬉しいん？王子様 」
嬉しいか嬉しくないか、そう聞かれれば
どっちかといえば嬉しい。
どんな形でも、チヤホヤされるのは嫌じゃない。
そのまま高橋に伝えれば、高橋は一瞬だけ
苦しそうな悔しそうな顔をした。
高橋「 そか、それならええんやけど 」
「 …うん 」
なんでそんな顔したのかわからへんけど、
その理由を聞くことは出来なかった。
久しぶりに二人で歩く帰り道は、
なんとも言えない空気だった。
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作者名：みぢゅ | 作成日時：2022年12月22日 18時
