125話 ページ25
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タケミチ「え」
タケミチの肩から、じんわりと滲んでくるのは血だった。
タケミチ「が……アアアアア!!!」
コヨミが、タケミチに向かって放った弾が、そのまま肩を貫通したのだ。
コヨミ「しつこいよ。
話は終わりだって言っただろ?」
タケミチ「がっ、ああ…!!」
コヨミ「……」
タケミチ「なんで……こんなこと……」
チャリンッ
タケミチ「!」
コヨミ「それ、私にはもうゴミだから。
アンタにあげる」
タケミチに向かって投げてきたのは、青いカーネーションの首飾り。
以前、ヒナがコヨミの誕生日にプレゼントしたものだった。
タケミチ「なんで……」
コヨミ「幸せになんてもの、この世にはない。
私は、そう思い知らされた」
タケミチ「違う!!
幸せはある!!!
キミにだってその権利があるんだ!!!」
コヨミ「……ふざけんなよ。
私から…マイキーを奪ったこの世界で…どうやって幸せになれって言うんだよ……」
タケミチ「!!」
コヨミ「……いらないんだよ。
みんな…もういらない」
タケミチ「コヨミちゃ……」
コヨミ「アンタも…………いらない」
バンッ!
コヨミ「ぐっ……!」
ナオト「タケミチくん!」
タケミチ「な、ナオト…!?」
間一髪のところで、コヨミの銃を弾き飛ばすナオト。
ナオト「光栄ですよ……東京卍會のボスとお会い出来るなんて」
コヨミ「………橘直人か」
ナオト「ボクの姉を殺した罪は、しっかりと償って頂きますよ」
コヨミ「………使いっ走りの駄犬風情が……。
まさか、この私を捕まえる気でいるのか?」
タケミチ「っ……」
オレの知ってるコヨミちゃんじゃない。
今、目の前にいるのは、全然知らない別人のような弦月朔だ。
これが……関東最大の犯罪組織…東京卍會のボスだっていうのか!?
コヨミ「……生憎、遊んでやれるほど暇じゃないんだ。
今回は見逃してあげるから、早く帰りな」
ナオト「見逃す?
笑わせるな!!!」
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作者名:しょうが湯 | 作成日時:2021年9月19日 23時