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47話 ページ48









言われた通り、カナヲはメモに書いてあるものを全て持ってきた。




紅蓮寺「お、早いな。

さすがは胡蝶の妹だ」


カナヲ「…」


紅蓮寺「じゃあそっちに座って。

腕に包帯を巻いてやってくれ。

傷は縫ってあるからな、この薬を塗ってガーゼを貼ってからだ。頼むぞ」


カナヲ「はい」





言われるがままに動くカナヲ。

そして、隊士の手当は終わった。





紅蓮寺「ふぅ、こんなもんか。

助かった、栗花落」


カナヲ「はい」


紅蓮寺「礼と言っちゃなんだが、これから甘味屋に行かないか?」


カナヲ「甘味屋?」


紅蓮寺「ああ。

私の奢りだ。たまにはいいだろう」


カナヲ「でも……」


紅蓮寺「なんだ?」


カナヲ「…なんでもないです。行きます」


紅蓮寺「よし。行くぞ」





硬貨に頼らず、自分の意志で決めた。

初めての事だった。



だが、紅蓮寺という人間に興味が湧いた。

自然とついて行く気にさせるこの人間に。


















紅蓮寺「美味いな〜」




向かいで美味しそうに甘味を頬張る紅蓮寺。

カナヲも甘味をゆっくりと食べる。




紅蓮寺「栗花落は胡蝶の継子だろう?」


カナヲ「はい」


紅蓮寺「どうだ、胡蝶は」


カナヲ「…師範は、いつもあなたの話ばかりします。

助けられた、と。

でも、お会いするのは初めてですよね」


紅蓮寺「そうだな。

お前が幼い頃、まだカナエが生きていた頃遠くから見かけたことはあるが、まさか妹だったとはな」


カナヲ「拾われたんです」


紅蓮寺「そうかそうか。

なら、私のところの継子たちと一緒だな」


カナヲ「え?」


紅蓮寺「瑠璃羽と夏葵凪という継子がいるんだ。

まあ妹と弟みたいなもんだ」


カナヲ「そうだったんですか…」


紅蓮寺「他人に興味が無いと、長くいても覚えられんか」


カナヲ「!」


紅蓮寺「一目、目が合った時から確信した。

お前は自分の意志がない。

どうでもいいんだ、全部」


カナヲ「……」


紅蓮寺「だが、私についてきたのは何故だ?」


カナヲ「……あなたには、興味が湧いたからです」

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作者名:しょうが湯 | 作成日時:2019年9月17日 0時

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