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45話 ページ46









それから二年あまりの月日が過ぎた。

最初の方は度々しのぶの様子を見に行っていた紅蓮寺だったが、次第にそっとしておくことにした。


そして、







産屋敷「柱合会議を始める。

その前に、みんなに紹介したい子がいる。

新しく柱になった子だよ」




産屋敷の言葉と共に出てきたのは、




しのぶ「初めまして。

蟲柱になりました、胡蝶しのぶと申します」




そう言って、しのぶは満面の笑みを浮かべる。

そう、仮初の笑顔だ。




産屋敷「これから新しくしのぶを柱として迎えることを誇りに思うよ。

よろしくね」


しのぶ「はい。お館様」














紅蓮寺「おめでとう」


しのぶ「紅蓮寺さん。ありがとうございます」


紅蓮寺「お前が柱か……。感慨深いな」


しのぶ「ふふっ。

これからどうぞ、よろしくお願いしますね」


紅蓮寺「ああ、よろしく。“胡蝶”」
























しのぶ「……あの時、私は本当に死のうと思ってました」




グラスを片手に、しのぶは呟く。




紅蓮寺「そうか」


しのぶ「紅蓮寺さんがいなかったら、今の私はありません」


紅蓮寺「そんなことはないぞ。

お前は強い子だ。大丈夫」


しのぶ「…ふふっ、紅蓮寺さんの『大丈夫』という言葉を聞くと、本当に大丈夫な気がしてくるです」


紅蓮寺「嘘は言っていないからな」


しのぶ「…姉さんを失って…空っぽだった私に、紅蓮寺さんが生きる意味をくれました」


紅蓮寺「そんな大層なことはしてないぞ」


しのぶ「いいえ。私にとっては、本当に…恩師のような方です。あなたは」


紅蓮寺「ははっ」


しのぶ「ふふっ」


紅蓮寺「そういえば、言ってなかったな」


しのぶ「え?」


紅蓮寺「その羽織似合ってる。

やっぱり、美人姉妹は私の中で生きているんだ」


しのぶ「!」


紅蓮寺「あと、私にとって、お前は最高の弟子であり妹だ」


しのぶ「っ……ふっ……グズッ」


紅蓮寺「ははっ、誰も見てない。

みんな寝てるからな」


しのぶ「あなたは…私にとってもう一人の姉さんです。

そして、人生の師でもあります。

本当に計り知れない恩ばかり…頂いて…」


紅蓮寺「お前は本当にすごい子だ。

偉いぞ、しのぶ」


しのぶ「!

……ありがとうございますっ…姉さん…っ」

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作者名:しょうが湯 | 作成日時:2019年9月17日 0時

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