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40話 ページ41








そして一週間。

紅蓮寺はしのぶに付きっきりで稽古をつけた。


刀と呼吸の使い方。

肺を大きくする方法。

突く力を、鬼殺隊で一番強くするために。

瞬発力を上げる。

洞察力、観察眼。


鬼と対峙した時に必要なことを全て教えた。





そして、

夏葵凪と瑠璃羽の謹慎が明けた日。







紅蓮寺「反省したか。二人とも」


瑠璃羽「はーい!」


夏葵凪「……はい」


紅蓮寺「よし。

夏葵凪。しのぶと打ち合ってみろ。

真剣でな」


夏葵凪「え!真剣ですか!?」


紅蓮寺「ああ、修練場でしのぶが待ってる。

行くぞ」














修練場に着くと、夏葵凪は身震いした。

目の前にいるしのぶの雰囲気が、一週間前に打ちのめした時とまるで違うからだ。


人が違う。

目付きが違う。





夏葵凪「っ……」


瑠璃羽「……」



それを感じたのは、瑠璃羽も同じようだった。





紅蓮寺「どうした。怖気付いたか?」


夏葵凪「っ、そんなことありません!」


紅蓮寺「よし。

では始める。

ルールを設定するから二人ともよく聞け。


まず、しのぶは突きのみ。

夏葵凪はいつも通りに刀を振れ。

どちらかに刀が突き刺さった場合、そこで打ち合いは終了だ」


瑠璃羽「怪我させていいんですか?」


紅蓮寺「当然だ。

真剣で戦うとはそういうことだ。

痛みも共にしることが大切だからな」




しのぶ「……」


夏葵凪「……」




紅蓮寺「では、始め」






その言葉で、双方が瞬時に間合いに入る。


先に刀を振り下ろしたのは夏葵凪だった。

しかし、



その一瞬の隙を見て、しのぶが夏葵凪の左肩に突きを決めたのだ。





夏葵凪「っぐ!」


紅蓮寺「……決まりだな」


瑠璃羽「う、嘘……」


紅蓮寺「勝者は胡蝶しのぶ。

夏葵凪。これで分かったか?」


夏葵凪「っ……」


紅蓮寺「手当してやれ、瑠璃羽」


瑠璃羽「はーいっ」













瑠璃羽に手当をされる夏葵凪。




夏葵凪「負けた……」


瑠璃羽「ふふっ」


夏葵凪「な、なんだ!」


瑠璃羽「あんなに悔しそうな顔久しぶりに見たな〜って」


夏葵凪「っ、ああ久しぶりだよ。

師範に打ち負かされた時以来かもしれない」


瑠璃羽「ね〜。

でも、胡蝶しのぶ。強くなると思うよ」


夏葵凪「そうだな。認めざるを得ない」

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作者名:しょうが湯 | 作成日時:2019年9月17日 0時

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