38話 ページ39
。
沈黙が流れた。
夏葵凪「お前」
しのぶ「は、はい」
夏葵凪「鬼殺隊には向いてないぞ」
しのぶ「え」
夏葵凪の言葉に、しのぶは一瞬固まる。
夏葵凪「師範はああ仰られていたが、お前のその体では強くなれない」
瑠璃羽「確かに〜。
小さいだけじゃ何も出来ないもんね」
しのぶ「そんなことはありません。
紅蓮寺さんは、私は強くなれると言ってくれました」
夏葵凪「っ、師範は俺たちだけの師範だ！」
しのぶ「！」
瑠璃羽「……」
夏葵凪「俺たちから師範を奪うな！
お前が来て、師範は俺たちに稽古をつけて下さらなくなった！」
しのぶ「そ、そんなことは…」
夏葵凪「そんなことはあるんだ！早く出ていけ！」
夏葵凪の怒号に、しのぶは冷静に返した。
しのぶ「出て行きませんよ。
私は、ここで一ヶ月修行をやり遂げます。
そして、あなた達よりも強くなる」
夏葵凪「！」
瑠璃羽「！」
しのぶ「紅蓮寺さんは、その術を知っている。
あの人に頼るしかないんです」
夏葵凪「……そうか。
表に出ろ、胡蝶しのぶ」
しのぶ「え」
夏葵凪「瑠璃羽。
朝まで打ち合いだ。
この女の決意を俺は叩きのめす」
瑠璃羽「はいはい。
もー、師範に怒られても知らないんだからねー」
。
カンカンっ！
しのぶ「ぐっ！」
夏葵凪「こんなものか！胡蝶しのぶ！」
しのぶ「っ、まだです…！！！」
庭園で、木刀を片手に打ち合う夏葵凪としのぶ。
それを見ている瑠璃羽。
夏葵凪「お前では俺を突くことはできないぞ！」
しのぶ「っ…はぁあ！！！」
時刻は丑三つ時。
もう何時間も打ち合っている二人。
しかし、やはりしのぶの刀は夏葵凪に触れることすらできなかった。
しのぶだけが、泥だらけになり、傷もできる。
しのぶ「はぁはぁ……」
夏葵凪「これしきで息が上がるとはな。
まだまだ未熟ではないか」
しのぶ「ｺﾞﾎｯ…！」
瑠璃羽「胡蝶しのぶ。
肺が限界を迎えてるわよ。
呼吸もろくに使えないんだから、辞めておいたら？」
しのぶ「や、やめません……、
呼吸は、まだ使えないけど……夏葵凪さんに勝ちます…！」
瑠璃羽「夏葵凪〜、アンタも呼吸使えないんだから無理すると隙をつかれるわよ〜」
夏葵凪「黙ってろ！
呼吸がなんだ！そんなものなくとも…」
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作者名：しょうが湯
| 作成日時：2019年9月17日 0時
